Project/Area Number |
22K13743
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 09060:Special needs education-related
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Research Institution | Sakushin Gakuin University |
Principal Investigator |
石塚 祐香 作新学院大学, 人間文化学部, 講師 (40817574)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 発達支援 / 保護者支援 / オンライン / 社会的相互作用 / ICT / 幼児 / 日常行動発達支援法 / 遊び |
Outline of Research at the Start |
本研究では、園-家庭間連携のための地域密着型発達支援を構築し、特別な配慮の必要のある幼児の遊び場面における社会的相互作用の形成・維 持・波及の条件を総合的に明らかにすることを目的とする。評価研究では、発達・知覚・ 行動データを縦断的に評価し、園・家庭の遊び場面における社会的相互作用の発達メカニズムを明らかにする。支援研究では、幼稚園教諭・保護者に地域密着型発達支援プログラムを適用し、園及び家庭での社会的相互作用の促進・波及効果を検討する。質的研究では、幼稚園教諭・保護者を対象としたフォーカスグループインタビューを行い、地域密着型発達支援の普及に必要な要因を検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は、次の2点に関する研究を実施した。 1.幼稚園に在籍する幼児の保護者に対するオンライン発達支援の実施:2022年度には、育児の悩みを抱えている保護者41名とその幼児(3歳から6歳)を対象とし、全体支援及び個別支援を組み合わせた支援を実施した。当該年度では、それらのデータ分析を行った。事前事後評価の協力が得られた保護者からは、全体支援が子育てに役立つ内容であるという回答や、応用行動分析学に基づく問題解決型の個別面談は、自身の子どもの得意・できるところの発見や気づきに役立つという回答が得られた。子育てに関する悩みの内訳では、子どもに対する伝え方、かんしゃくへの対応に関する相談、子どもの気質に関する相談、子どもの注意力や集中力に関する相談などが挙げられた。これらの成果を当該年度の国際学会にて1件の発表を行った。さらにこれらの結果を踏まえ、当該年度では幼稚園教諭と保護者間の連携支援の手続きを加えた支援システムを計画し、16名を対象にオンライン発達支援を実施した。
2.園・家庭での社会的相互作用に関わる発達・行動・知覚基盤の評価と分析:発達障害児1名を対象に、家庭において児童の発話に保護者が応答的な反応を行う関わりを支援した結果、社会的相互作用が持続し、児童の発話や、語彙の獲得が促進された。本研究成果は、国際学術雑誌1件に掲載された。さらに、28名の発達障害児を対象に、曖昧な状況において他者の表情等を手がかりに自分の行動を調整する社会的参照に関する評価研究を行った。曖昧な状況場面の動画を発達障害児が視聴した時の視線の特徴を分析した結果、他者の表情と身振りが伴う方がより表情に注目しやすく、また年齢が高くなるほど、他者の表情に注視する行動が高まることが示された。本研究成果については、2024年度に開催される国際学会(1件)での発表が決定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度は、幼稚園に在籍する特別な配慮を必要とする幼児とその保護者に対するオンライン発達支援の継続、園・家庭での社会的相互作用に関わる発達・行動・知覚基盤の評価と分析、園-家庭間連携のための地域密着発達支援の普及に必要な条件を検討するための予備調査の実施の3点を計画し、おおむね順調に進展している。
特に以下の3点からおおむね順調に進展していると評価した。 1.幼稚園に在籍する特別な配慮を必要とする幼児とその保護者に対するオンライン発達支援の継続:2022年度に続き、オンライン発達支援を行い、幼稚園教諭と保護者間の連携支援の手続きを加えた支援システムを検討できた点。さらに本成果について、当該年度の国際学会にて1件の成果発表を行った点。 2.園・家庭での社会的相互作用に関わる発達・行動・知覚基盤の評価と分析:発達障害児1名を対象に実施した研究成果について、国際学術雑誌に1件掲載された点。さらに28名の発達障害のある子どもを対象とした、社会的参照に関する発達・知覚基盤の評価研究の成果について、2024年度に開催される国際学会にて1件の成果発表が決定している点。 3.園-家庭間連携のための地域密着発達支援の普及に必要な条件を検討するための予備調査の実施:幼稚園教諭・保護者を対象とした定期的なグループワークを開催し、地域ネットワークの機能化を図り、2024年度のフォーカス・グループ・インタビューに向けた準備状態を作ることができた点。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策として、以下の3点が挙げられる。
1. 幼稚園に在籍する幼児の保護者に対する発達支援の継続:特別な配慮の必要な幼児の保護者に対する発達支援を継続し、その効果を評価する。特に幼稚園教諭と保護者間の連携支援の手続きを加えた支援に関する効果評価を行う。 2. 園・家庭での社会的相互作用に関わる発達・行動・知覚基盤の評価と分析:当該年度までに得られた社会的相互作用に関わる発達・知覚基盤の評価に関する成果について論文投稿準備を行う。 3. 園-家庭間連携のための地域密着型発達支援の普及に必要な条件を検討するためのフォーカスグループインタビュー調査の実施:幼稚園教諭及び保護者を対象に、当該テーマに関するフォーカスグループインタビューを行い、得られたデータの分析、整理を行った上で、支援プログラムを再構築する。
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