歌声の音響分析と印象調査および歌い手のフォルマントの生成に関する研究
Project/Area Number |
22K13773
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 09070:Educational technology-related
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Research Institution | Osaka University of Arts Junior College |
Principal Investigator |
高橋 純 大阪芸術大学短期大学部, その他部局, 講師 (50883055)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 歌声 / 歌い手のフォルマント / WAVE / オペラ歌唱 / 主観評価 / 音響分析 / 歌唱フォルマント |
Outline of Research at the Start |
優れた歌手の歌声に共通する音響的特徴が、聴き手にどのような聴覚印象をもたらすのか、その発生条件がどのようなものであるのかは明らかになっていない。そこで本研究は、歌声の音声分析と印象評価実験によって、優れた歌手の歌声に共通する音響的特徴と、それが聴き手にどのような聴覚印象を与えるのかを明らかにし、さらにWAVEを用いた生体計測実験によって発生条件としての口腔形状の変化を合わせて検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、WAVE(磁気センサシステム:口腔内にセンサを貼り付けてその位置を追跡する装置)を用いた口唇と顎の計測実験を行うにあたり、まず音楽大学で声楽を学ぶ学生を対象にアンケート調査を行い、歌唱中に歌い手がどのように意識して口を開けているのかを検討した。その結果、「口の中を大きく開ける」「縦に開ける」「顎を引く」「声が響くように口の中を丸く広げる」「高い声ほど開けていく」「あくびのように」という回答が得られた。このことから、歌唱中は話声時に比べて口唇だけでなく口腔内を広げる意識があることが明らかとなった。また、アンケート調査から50%以上の回答者が歌唱中に軟口蓋や上顎に「声を当てる」意識があると回答があり、歌声の制御と口の開け方には大きな関わりがあることが示唆された。 次に、歌声の音響的特徴を検討するために音声分析の予備実験を行った。これまで、歌声に含まれる「歌い手のフォルマント」を指標化するために、歌声の全体の周波数帯域の中から2-4kHzの帯域に含まれるエネルギーを占有率として算出していた。しかし、これは連続する2音までしか計算することができなかったため、改良を加えて3音以上を計算し、さらに占有率の高さだけでなく、その変化量の算出も出来るようにした。 次に、歌唱における「表現」に着目し、歌声の音色(明るい、暗い)や演奏法(スタッカート、ポルタメント)の変化が、どのように聴き手に評価されるのかを検討した。プロの歌手と一般大学の学生を比較したところ、プロ歌手の表現の変化は聴き手に判別される傾向にあり、一般大学生の変化は判別されにくいことが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、音楽大学で声楽を学ぶ学生を対象に歌声に関するアンケート調査を行い、WAVEを用いた口唇と顎の計測実験のためのアンケート調査を行った。それに加えて、歌声の音声分析における既存法を改良し、実際の音声データを用いて予備実験を進めている。また、歌い手のフォルマントだけでなく、他の音響的特徴量の抽出に関しても検討している。 新型コロナウイルスによる影響で、大学や研究機関において発話実験に対する利用制限が設けられた為、当初の予定よりかは被験者数が少なくなってしまったが、現在までの到達度は、おおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、まず、国立国語研究所においてWAVEを用いた歌唱中の口唇と顎の計測実験を行う。すでに、今年度中に国立国語研究所に共同研究申請を行い、採択されているため、WAVEの機器と実験の環境は揃っている。また、WAVEでの計測と同時に歌唱音声も収録し、2つのデータを照らし合わせることによって、口唇や口腔内の動作が歌声の音響的特徴量とどのような関わりがあるのかを検討する。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)