高齢ドライバに対する個人に最適化した運転介入に向けたメタ認知の適切さの評価
Project/Area Number |
22K13792
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 10010:Social psychology-related
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小嶋 理江 名古屋大学, 未来社会創造機構, 特任准教授 (80872845)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2023: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 高齢ドライバ / ドライバ評価 / 潜在ランク / CCDC / モニタリング機能 / コントロール機能 |
Outline of Research at the Start |
個々のドライバが抱える課題を踏まえ,的確なドライバ評価を行う必要があるため,名古屋大学COIで構築された6年分の縦断的データ(高齢者運転特性データベースDahlia)を活用し,多面的な視点でドライバの特徴を明らかにする。態度等の心理変数や自身の心身機能をどう捉えているかの主観評価,実際の運転 や認知機能等の客観評価と主観評価の対応から適切に自身を捉えているか(メタ認知のモニ タリング機能),運転方略としての補償行動は適切か(メタ認知のコントロール機能)を用いてドライバの類型化を行い,総合的なドライバ評価を目指す。個々のドライバに最適な効果的な運転支援や安全運転教育の提案を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
運転技能のみならず、自分の安全態度、心身機能を含む「メタ認知」を軸として,メタ認知のモニタリング機能とコントロール機能の適切性を評価することにある。この目的を遂行するために、まずは「安全に対する態度はどのようなものか,どのような心理的特性を持っているかについて明らかにすること」に主眼を置いて一連の心理学的研究を行なった. 初年度は,蓄積されている高齢者運転特性データベースDahliaのうち,計7種類200項目以上ある心理変数の分析を行った.その結果,全ての変数を用いることは適切ではないということが分かったため,潜在ランク理論(LRT : latent rank theory)による分析によって,高齢ドライバの差異を表現可能な有効な項目を抽出した.この作業によって,45項目のみで,「負担感受」,「変化自覚」,「認知機能チェック」,「安全運転志向」,「事故不安」,「悪条件対処」,「同乗者対処」,「性格傾向(神経質・感情コントロール困難性)」という8つの側面を測定できる簡易型の質問紙SQ-CCDC(Simplified Questionnaire Comprehensively Captures Driving Characteristics)を完成させた. LRTは,項目に対する反応パタンから,潜在ランク(LR : Latent Rank)という順序尺度に回答者を段階的にクラスタリングする.事故不安のみ2ランクで,その他の7つの側面は3ランクで評価可能となった.高齢ドライバの類型化の準備が整ったため,計画通り,主観評価を用いた類型化と特徴分析を行う.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
高齢者運転特性データベースDahliaにある心理変数および尺度を用いる予定だったが,複数の尺度において明確な1因子性があっため,全ての変数を用いることは適切ではないということが分かった.そのため,潜在ランク理論に注目し,項目識別度(Item Discriminancy)や項目困難度(Item Difficulty)を用いて,高齢ドライバの差異を表現可能な項目を抽出することを考えた. 簡易型質問紙SQ-CCDCとして論文化し,多くの研究に用いてもらえるよう尺度得点からランク(2段階もしくは3段階)を導き出せるように得点のカットオフポイントも検討し論文化した.そのため,やや遅れることとなった.
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Strategy for Future Research Activity |
今後,早急に主観評価による類型化,および客観評価の類型化を試みる.主観評価については,高齢ドライバの差異が明確となる変数のみを用いた簡易型質問紙SQ-CCDCで得られる8つの側面があるため,明確な類型化を可能にすると考えている.
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)