Project/Area Number |
22K13806
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 10010:Social psychology-related
|
Research Institution | Kansai University of Welfare Sciences |
Principal Investigator |
尾崎 拓 関西福祉科学大学, 心理科学部, 講師 (60909406)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
|
Keywords | 社会心理学 / 社会規範 / 記述的規範 / ナッジ |
Outline of Research at the Start |
記述的規範とは、「みんながやっている」という情報にもとづく社会規範である。私たちはこの規範の影響を受けるが、その影響を受けやすかったり受けにくかったりする個人差もまた存在する。この個人差を推定する尺度を用いて、より効果的に記述的規範を提示する方法をフィールド研究で検討することにより、多くの人が望ましい行動をとるように促すナッジの方法を見出すことを目的とする。
|
Outline of Annual Research Achievements |
法制度や金銭的なインセンティブを用いずに人の行動を望ましい方向に誘導する心理科学的な仕組みのことをナッジという。ナッジのために用いることができる心理学的なメカニズムの一つに社会規範があることが知られており、社会規範の効果の大きさについては、すでに多くの証拠が蓄積されている。 本研究で取り上げたのは社会規範のうち、「多くの他者がやっている」という情報にもとづく記述的規範である。記述的規範もまた、ナッジとして有望であることは知られていたが、記述的規範の効果を高めるために、その提示方法を「オーダーメイド化」することが課題であった。 本研究では、記述的規範からの影響の受けやすさの個人差を測定する尺度の洗練を目指す調査研究を実施した。「多数の他者の動向」の影響の受けやすい人もいれば、これに抵抗をもつ人もいるため、その感受性の個人差を測定するための尺度開発を目指した。本年度は開発した心理尺度について、二波の縦断調査を実施することで尺度の信頼性と妥当性について検討する研究を実施した。実施した調査からは、①本研究で開発した非言語的な心理尺度は記述的規範の個人差の測定に有望であること、②再検査信頼性は尺度化のために許容できる程度であること、③本研究で開発した尺度と、既存の同調傾向を測定するための言語的な心理尺度との基準関連妥当性には問題があること、という結果が得られた。 今後検討する必要があるのは、本研究で開発した尺度の基準関連妥当性についての議論と、実際のフィールド下での利用可能性の可否であると考えている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた調査はおおむね実施することができた。本研究で開発する心理尺度については、信頼性についての証拠が得られたものの、妥当性については十分な証拠が得られていない。妥当性についてのさらなる検討が必要であると考えているが、フィールド下での利用可能性についても予定通り検討することができると想定している。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度に実施した研究は「真空」状態での社会規範の影響および個人差を測定するものにとどまっている。次年度以降の研究で尺度の妥当性についての検討を進めたうえで、研究計画に記載されているように、防災場面での記述的規範を用いたナッジの有効性についての検討を行う予定である。
|