対人志向的ピア・サポートにおける感謝と負債感を活用した援助行動促進プロセスの解明
Project/Area Number |
22K13858
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 10030:Clinical psychology-related
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Research Institution | Hokuriku Gakuin University |
Principal Investigator |
松下 健 北陸学院大学, 人間総合学部(社会学科), 教授 (90768706)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
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Keywords | 対人志向的ピア・サポート / 負債感 / 感謝 / 向社会的行動 / 妥当性 / 援助行動 / エビデンス / コミュニティアプローチ |
Outline of Research at the Start |
本研究は,感謝介入により感謝と負債感を高め,その結果援助行動が促進されるという理論に依拠した因果プロセスを解明するものである。そのため,感謝と負債感の操作法と測定方法の確立,日常利用可能な感謝感情喚起方法の検討,感謝と負債感,そして援助行動の関連を,実験により研究する。一連の研究は,先行研究や理論を十分踏まえない,特定のテーマを扱う蓄積的研究が行われない,内的妥当性が低いという,対人志向的ピア・サポート研究が長年抱える課題を解消する大きな意義を持つ。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度(令和4年度)に、日本人の感謝と負債感を適切に測定する方法の検討を行った。有難い、そして申し訳ないという2種の感情について、それぞれに焦点を当てた感情喚起手続きを用いて、感情価に変化があるか否かを検証した。有難いという感情に焦点を当てた感情喚起手続きは、感謝と負債感の両方を高めたが、負債感よりも感謝を強く喚起した。申し訳ないという感情に焦点を当てた感情喚起手続きは、感謝と負債感の両方を高めたが、感謝よりも負債感を強く喚起した。このように、適切な測定方法であることが明らかになった。 2023年度(令和4年度)は、2022年に検討した測定道具を用いて、感謝関連感情喚起技法の比較を行った。国内に住む20代の日本人を無作為にリスト法群と想起法群に割付け、それぞれ15日間感情喚起技法を使用した。毎日、感情喚起技法の使用前後に状態感謝と状態負債感の測定を行った。結果から、次の点が明らかになった。1点目、リスト法群は状態感謝、状態負債感ともに感情喚起効果はないこと。2点目、想起法は状態感謝および状態負債感の喚起効果があること。3点目、感情喚起技法を使用した後に感情が一過性の向上を示したとしても、時間の経過に伴い状態感謝と状態負債感は平常値に戻ること。4点目、性別によって状態感謝や状態負債感の喚起効果に差はないこと。5点目、想起法群は感情喚起効果があり、かつ15日間継続使用しても感情馴化は生じないことである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
主に次の3つの要因によって2023年度(令和5年度)の計画に遅延をきたすことなく進めることができた。(1)実践や応用ではなく、基礎研究に焦点化した計画を立案したこと。(2)Web調査の利用により、対人接触を含む感染症リスクの低い方法で研究を遂行したこと。(3)最終年度の研究についてデータ収集を前倒して遂行できたこと。以上より、順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度(令和6年度)は、データ収集を前倒して2023年度(令和5年度)に行ったため、それを分析し、研究成果を社会に還元すべく、得られた知見の公表に注力する。また、その後の研究について準備を進める。このような方法により、研究の発展に向け作業を進めていく。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)