Project/Area Number |
22K13867
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 10040:Experimental psychology-related
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉原 将大 東北大学, 国際文化研究科, JSPS特別研究員(PD) (70822956)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 視覚的単語認知 / 回転 / 倒立 / 漢字熟語 / マスク下プライミング / 空間的変化 / 文字位置 / 語彙判断課題 |
Outline of Research at the Start |
本研究では,視覚提示された単語の認知が,刺激の空間的変化(鏡像や倒立像など)に依存するのか検討する。鏡に写った自分の顔を正しく「自分である」と認知できるように,刺激の空間的変化に依存せず対象を処理する能力は,物体の視覚認知において重要である。その一方で,単語の視覚認知は空間的変化に依存している可能性がある(e.g., Dehaene et al., 2005)。先行研究はアルファベット言語に関するものであったが,本研究では(先行研究における手続き上の不備を解消した上で)日本語を用いることにより,従来の知見がどこまで一般化できるのか明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は,漢字二字熟語を倒立(あるいは回転)した状態で提示することが,単語を「読む」というプロセスにどのような影響を与えるか検討した。具体的には,漢字二字熟語をターゲット刺激に用いて,実験参加者に提示刺激が実在する語であるか否か判断させる課題(語彙判断課題)を実施した。その際,ターゲットを視覚提示する直前に,プライム刺激を正立あるいは倒立させた状態で瞬間提示した。実験の結果,プライムとターゲットが同じ語である場合 (e.g., 原則―原則),両者が異なる場合に比べて (e.g., 素直―原則),有意に反応時間が短くなるという,マスク下反復プライミング効果が観察された。しかし,プライムが倒立していた場合のプライミング効果は,プライムが正立していた場合のプライミング効果よりも有意に小さかった。これらの結果は,視覚刺激を倒立(回転)させることにより,漢字二字熟語の単語認知プロセスが阻害されたことを示している。ただし,アルファベット言語を用いた先行研究においては,プライムに一定の角度以上の回転を加えるとマスク下反復プライミング効果は消失することが報告されている (Fernandez-Lopez et al., 2022)。これに対して,本実験では倒立プライムに対しても有意なマスク下反復プライミング効果が(正立プライムよりは小さかったものの)観察された。したがって,プライムは倒立していたにも関わらずマスク下反復プライミング効果が観察されたという本実験結果は,漢字二字熟語の単語認知プロセスが,(アルファベット言語における単語認知プロセスとは異なり,)視覚刺激の向きに完全には依存していないことを示している。これらの実験結果は,表記体系の違いが単語認知プロセスの普遍性に及ぼす影響を示唆していると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度は上記のとおり,倒立した漢字二字熟語を用いた実験を行い,その成果を国内学会(日本心理学会,認知神経心理学研究会)で発表した。現在,実験データをまとめた論文を執筆中であり,近く国際誌への投稿を予定している。加えて,倒立した漢字四字熟語を用いた実験と,漢字二字熟語の鏡映像を刺激に用いた実験も開始し,さらなるデータ収集を進めることができた。研究開始前の計画では,2022年度は2~3種の実験を実施し,2023年度から論文執筆を開始する予定であったことと比較すると,やや計画を前倒しで進めることができていると考えられる。以上のことから,研究は概ね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は,倒立した漢字二字熟語を用いた語彙判断課題の実験結果をまとめて論文を執筆し,国際誌で発表することを目指す。それと並行して,現在進行中の実験(倒立した漢字四字熟語を用いた実験,ならびに,漢字二字熟語の鏡映像を用いた実験)のデータ収集を引き実施する。データ収集が完了し次第,得られた成果を国内外の学会で発表する予定である。なお,現時点では研究計画の変更あるいは研究を遂行する上での課題等はないと考えている。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)