生態学的合理性の観点から知覚的決定・メタ認知を理解する
Project/Area Number |
22K13870
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 10040:Experimental psychology-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
三好 清文 京都大学, 情報学研究科, 助教 (20788880)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 知覚 / 記憶 / 意思決定 / メタ認知 / 実験心理学 / 計算論モデル / 心理物理学 / 人工知能 / 脳波 |
Outline of Research at the Start |
我々は、自身の判断の確かさを積極的にモニタリングすることで、将来の適応的行動を導いている。こうした機能の背景には、世界の統計的構造に根差した効率的情報処理があることが知られており、この点を追求していくことは、人間の意識解明や、人工知能開発上での一大問題となっている。本研究では、ヒトを対象とした心理実験を通じて、我々の持つ効率的情報処理の仕組みを明らかにする。さらに、ヒトの行動様式と人工知能の振る舞いを比較することで、こうした情報処理がどのように実装されているのかを明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、人間が不確実性下で意思決定を行うメカニズムを、行動実験、オンラインデータ収集、及び計算機モデリングを通じて検討した。まず第一に、系列的に提示される運動情報刺激のワーキングメモリへの記銘および想起について、行動実験を中心にした検討を行った。本実験ではこれまでにない現象が観測され、これについてはPsychonimic Society第63回大会にて報告を行った。本件についてはより強固な知見を得るべく追加実験を行っており、来年度中の論文投稿・出版を目指す。さらに、意思決定に伴う確信度(自分自身の判断の確かさについてのメタ認知的評価)が生起するメカニズムについて、大規模データ分析、コンピュータシミュレーション、計算機モデリング、オンライン実験に基づく4つの研究を行った。1つ目の成果についてはプレプリントを公開するとともに、視覚分野にて定評のあるJournal of Vision誌にて報告を行った。2つ目についてはプレプリントを公開済みであり、論文が国際誌にて査読を受けている段階である。3つ目については、予備実験に基づくregisreted reportプロトコルを作成し、国際誌にて査読を受けている状況である。プロトコルの承認が得られ次第、本実験を行い、来年度中の論文掲載を目指す。4つ目についてはデータ収集が完了した段階であり、現在論文執筆中である。このように、本年度は、意思決定及びメタ認知のメカニズムについて多面的な検討を行い、その成果を広く国際的に発信することができたものと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた以上に多くの実験を実行することができ、それら成果の一部について国際学会及び国際誌にて報告することができた。現在執筆中の論文も含め、多くの質の高い成果が得られたものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究実績の概要で述べた5つの研究のうち、4つが論文執筆中もしくは査読中の段階にある。来年度はまずこれら論文の出版を目指す。さらに、このうち計算機モデリングに基づく研究については、モデルをもとに様々な検証可能な予測を与えるものとなっている。したがって、モデルから予測される結果を検証するための行動実験を今後行っていく見通しである。さらに本研究については実験中の眼球運動データを収集しており、このデータを機械学習手法を用いて分析することで、本モデルを裏付けることを計画している。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)