Project/Area Number |
22K13875
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 10040:Experimental psychology-related
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
菅原 通代 早稲田大学, 文学学術院, 次席研究員(研究院講師)・日本学術振興会特別研究員(PD等) (70907419)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
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Keywords | flavor preference / リッキング / 計算論モデリング / 強化学習モデル / 固執性 / 期待 / 選好 / 学習 / 超音波発声 / 計算モデル |
Outline of Research at the Start |
焦らされることで好きになる。恋愛ドラマでもよく描かれる現象である。動物心理学では餌を得るまでに待たされるほど、その餌を好きになる現象が報告されている。本研究では、「待つ間の何が対象を好きにさせるのか」という問いに対し、「待つ間に経験する期待に基づく学習過程が、対象を好きにさせる」という仮説を検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、前年度で確立したリッキング測定を用いて、マウスを対象にflavor preference learning前後の好みの変化を検証した。Dwyer (2009)の手続きを参考に濃度が16%と2%の砂糖水にそれぞれバナナとチョコのフレーバーをつけて学習を行なった。各flavorのついた2%砂糖水を自由に飲むテストフェーズで、統制群(2%の砂糖水で条件づけ)に比べて実験群(16%の砂糖水で条件づけ)では、飲水量と総リック数が有意に多かった。嗜好性の指標だと考えられているリック・クラスターサイズに関しては、1日目のテストでは群間に有意な差は認められなかったが、2日目のテストでは統制群と比較して実験群のクラスターサイズが有意に大きかった。この結果は、flavor preference learningは嗜好性の継時的低下を防ぐ一定の効果を持つ可能性があるものの、ベースラインよりも嗜好性を上げるほど大きな効果量はないことを示唆している。 上記実験に加えて、ラットを対象として、同一個体におけるモデルパラメータの継時的な安定性および変動性を検証した。長期的な学習課題を実施し、使用した強化学習モデルの6つのパラメータのうち、どのパラメータに変動性が生じるか検討した結果、全ての個体に共通して、正と負の学習率(α+,α-)および減衰率(τ)に変動性が認められた。正と負の学習率と減衰率はいずれも価値更新時の経験への重みを調整するパラメータである一方、逆温度と固執性は行動選択時の価値への重みである。したがって、更新時の重みは個体内の学習進度に依存し、選択時の重みは学習進度に依存しない個体特性であることが示唆される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の実験計画では、Flavor preference learning中の報酬提示時間間隔を変え、実験的に期待操作を行なった上で、リッキング行動を測定する予定だった。しかしながら、flavor preference learningの効果はcluster sizeに反映されづらいことも報告されており(Riordan & Dwyer, 2019)、実験結果からも効果量が小さいことが示された。そのため、期待依存的な価値を評価する実験系としては不十分であると判断した。 そこで、強化学習課題をベースに期待による価値上昇を評価する実験系へと変更するため、強化学習課題を実施可能なオペラントボックスを製作し、モデル研究において重要となるパラメータの継時的変動性を明らかにすることに従事した。 その後、実験室の改修工事や想定外のトラブル等の状況から受入研究室での実験遂行が困難になったため、齧歯類を対象とした実験計画を変更し、ヒトを対象とするオンライン実験も並行して実施する方針を考えている。これらの状況から、「やや遅れている」という自己評価を行なった。
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Strategy for Future Research Activity |
受入研究室では十分に動物実験を遂行することが困難であるため、課題の延長を視野に入れ、ヒトを対象としたオンライン実験に切り替えて本研究課題の仮説を立証する方針へ変更する計画である。今後は過去に申請者が作成したアバター選択課題を改良し、期待を増減する操作を実験的に組み込むことで、「期待」そのものが快経験・快情動を生み出す、という仮説を検証する予定である。 本申請課題に含まれる神経薬理学的研究は、ヒトを対象として実施するのが困難であるため、作成したオペラントボックスを動物実験が可能な共同研究先へ移動し、オンライン実験と並行して神経薬理実験を目指して実験の準備を進めている。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)