潜在的脅威性の視覚認知プロセスの解明に向けた実験心理学的アプローチ
Project/Area Number |
22K13881
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 10040:Experimental psychology-related
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
佐々木 恭志郎 関西大学, 総合情報学部, 准教授 (70831600)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 感情 / 脅威 / 嫌悪 / 視覚 / 心理物理学 |
Outline of Research at the Start |
社会生活を営む上で,有害な他者を検出し,回避することは不可欠である。その際に,対象と近接せずに一定の安全を保ちながら脅威性を推定できることから,視覚的な判断は有効な手段である。このような他者の脅威性に関する視覚的判断の認知的な処理メカニズムの解明を目指す。特に本研究では,内的特性,身体特性・状態,文脈情報の観点から検討を行い,各要因の影響や要因間のインタラクションを炙り出す。そのような検証を通して,潜在的な脅威の視覚検出の制御を可能とする基本原理・メカニズムの紐解く。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,対象の脅威性をどのようにして視覚的に判断しているのかを検討することを目的としている.本年度は以下の点について取り組んだ. A.脅威刺激の衝突時間推定のプロトコル策定:脅威刺激が自分に向かって接近してくる場合,その衝突までの時間を短めに推定することが知られている.この研究について追試を検討しており,プロトコルを策定した.さらに,この現象を変調させる要因についても検討する予定であり,現在その操作方法を吟味している. B.口元が示唆されたマスク着用者への忌避反応:口元がプリントされたマスクの着用者がもたらす感情印象について検討した.結果として,そのようなマスクの着用者は典型的なマスク着用者やマスクなしの人物にくらべて不気味と評価されることが明らかになった.これらの背後には,新奇な対象を潜在的な脅威として避けるようなメカニズムが関与しているのではないかと考えられる. C.感染予防対策が拡張的パーソナルスペースに与える影響:パーソナルスペースとは,日常生活において無意識のうちに維持しがちな他者との距離のことである.このパーソナルスペースは,自分の所有物にも拡張することが知られている (e.g., 自分が苦手とする相手の持ち物と自分の持ち物の間には距離をとる傾向がある).本研究では,手指消毒をした他者との拡張的パーソナルスペースは,そうではない他者のパーソナルスペースに比べて狭くなるのかを検討した.結果として,両者の間に顕著な差は見られず,現状では手指消毒が他者への脅威性を制御するかについては結論は下せない. Bの研究についてはすでに国内の学会で発表済みであり,現在は査読付き国際誌に投稿準備中である.Cについては国内学会で発表予定である.また,関連研究について1本の査読付き論文,5本の査読なし論文,1本の書籍,4件の学会発表を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
対象の脅威性に対する視覚的認知について,評定やパーソナルスペースなどを駆使しつつ検証し,衝突予測についてもプロトコルを策定している.さらに,発展的な検討として感染可能性を切り口にした研究を展開し,脅威性の手がかりとして有効であるかを確認している.これらを考慮して,おおむね順調に進行していると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は個人差や文脈効果などについて検討予定である.
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Report
(1 results)
Research Products
(12 results)