Zeros of zeta functions and L-functions, and their relations to Goldbach's problem
Project/Area Number |
22K13895
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 11010:Algebra-related
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
スリアジャヤ アデイルマ 九州大学, 数理学研究院, 准教授 (50804241)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | リーマンゼータ関数 / 零点の対相関 / Montgomery定理 / 単純零点の割合 / Montgomery予想 / 代替仮説 / 代替予想 / ゴールドバッハ平均 / ゼータ関数 / L関数 / 零点 / 素数 / ゴールドバッハ問題 |
Outline of Research at the Start |
ゼータ関数とL関数は素数の分布を調べるために長い間研究され、整数論の重要な研究対象の一つとなった。私の以前の研究はゼータ関数とL関数自身の性質を中心に行われてきたが、最近の研究では、それらの結果と素数の関係が少しずつ明らかになった。素数は整数論の主な研究対象であり、それを用いて、整数のいろんな性質を明かすことは整数論の大きな研究目標である。100年も渡り解決されていない整数論における大問題がいくつかあり、解決に至りにくい研究であるが、私の研究の背景にあるのは有名なリーマン予想、ゴールドバッハ予想および双子素数予想である。
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度の主な研究内容はリーマンゼータ関数の非自明な零点の対相関を測る和に関するMontgomeryの定理である。その定理は従来リーマン予想、または最近の研究でリーマン予想に近い仮定の下でしか示されなかった。Baluyot氏、Goldston氏とTurnage-Butterbaugh氏との共同研究で、そのMontgomery定理を無条件に示した。Montgomery定理の一つの強みは、リーマンゼータ関数の非自明な零点は大部分(2/3の割合)が単純零点であることを意味することである。その割合が最近、Montgomery定理を使わない全く別の方法で19/27に改良されたが、残念ながら、それくらい強い割合を得るには、リーマン予想以上の仮定が必要である。研究代表者らはリーマン予想を仮定しないことに挑んだが、現在知られている方法では全く無条件の結果が得られなかった。そこで、研究代表者らはリーマン予想より遥かに弱い予想を仮定する上で、61.7%の割合を実現した。 上記の研究で考察したMontgomery定理はより広い範囲で成り立つという予想はMontgomery予想として知られ、リーマンゼータ関数の非自明な零点の対相関予想を導くのである。Montgomery予想の仮定の下でリーマンゼータ関数の非自明な零点のほぼ全てが単純零点であることは知られている。一方、Montgomery予想の反対の予想となる代替仮説もある。この代替仮説は未だに否定できないため、研究され続けている。特に、リーマンゼータ関数の非自明な零点の対相関の本質はMontgomery予想にあるかを確認するためにその反対の場合を考えるのである。研究代表者らはその代替仮説について深く調べている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年の前半にAmerican Institute of Mathematics及びサンノゼ州立大学にて研究を別の経費の用事と同時に進行しながら行なった。研究は主にGoldston氏と打ち合わせをしながら行い、ちょうど当時までAmerican Institute of Mathematicsがサンノゼ市に所在し、American Institute of Mathematicsの現役ポスドクのBaluyot氏とも打ち合わせを行なった。現地滞在中に、無条件のMontgomery定理と単純零点の割合への応用に関する研究を完成させ、論文を投稿した。論文は数回の修正を経て、年度末に出版が決まった。 上記の研究は実は、前年度から行い続けているMontgomery予想と反対な代替仮説に関する研究を行う途中に閃いたのである。今年度、代替仮説に関する研究も続けており、Montgomery予想と同様なリーマンゼータ関数の単純零点の割合を示すことに挑んだ。そこで、代替仮説の面白い新しい一面を発見し、重複度が2以上の零点がどのように許されるかを明示的な式で表すことができた。より正確に述べれば、代替仮説にはスペクトラムがあり、それにより零点の重複度がどれくらい許されるかがわかる。これはMontgomery予想では現れない現象である。最も極端な代替仮説のスペクトラムでMontgomery予想と全く同じ単純零点に関する割合が証明できた。この結果により、Montgomery予想はリーマンゼータ関数の非自明な零点のほぼ全てが単純であることの本質ではないことがわかる。 これらの研究成果は国内外のセミナー・研究集会にて発表したが、後者の研究はまだ論文執筆の段階である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後一つ目の計画は、代替仮説に関する論文を完成することである。 次に、無条件なMontgomery定理及び単純零点の割合への応用に関する論文は既に出版決定されたが、論文の修正をしながらいくつか気づいた点があったため、それらを解消しながら結果を改良したいと考えている。そこで、単純零点の割合を得るために用いた仮定が緩和できるかもしれないと気づき、この点を確認したい。 それら以外に、今年度は新しい共同研究者と今まで行なったことのない研究課題についても議論を行なった。これらの研究も進めたい。現段階でまだどのような結果が得られるかは不明であるため、研究計画の具体的な数学的記述が困難である。
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Report
(2 results)
Research Products
(21 results)