オービフォルド構造に注目した非負曲率の研究および代数多様体の分類理論への応用
Project/Area Number |
22K13907
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 11020:Geometry-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岩井 雅崇 大阪大学, 大学院理学研究科, 助教 (80880640)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2026: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 余接ベクトル束 / 非負曲率 / アバンダンス予想 / 第2チャーン類 / オービフォールド / 接ベクトル束 |
Outline of Research at the Start |
接ベクトル束や余接ベクトル束が0以上の曲率を持つ射影複素代数多様体及び特異多様体(KLT多様体)の構造を, オービフォールドの観点から研究し, これらの多様体がリッチ曲率が正, 0, 負の多様体によって構成されることを示していく.
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度は余接ベクトル束が0以上の曲率を持つ射影複素代数多様体の構造を研究した. 東北大学の松村慎一氏との共同研究により, 「数値的小平次元1以下である余接ベクトル束が0以上の曲率を持つ代数多様体の構造」を完全に決定した. また「第2チャーン類が消えている代数多様体の構造」も完全に決定した. より正確な主張を述べると以下の通りである: 1. 第2チャーン類が消えているならば, 余接ベクトル束が0以上の曲率を持ち数値的小平次元は1以下である. 2. 余接ベクトル束が0以上の曲率を持ち数値的小平次元は1以下ならば, 有限被覆で持ち上げると, トーラスまたは種数2以上の曲線上のトーラスファイブレーションの構造を持つ. また今回の研究において, 第2チャーン類が消えている代数多様体に対してアバンダンス予想が成り立つことも証明している. アバンダンス予想とは, "標準朿がネフならば半豊富である"という予想であり, 極小モデル理論における重要な未解決問題である. この予想は一般次元において限られたケースでしか成り立つことが知られていない. 今回の研究で任意の次元の第2チャーン類が消えている代数多様体に対してアバンダンス予想が示せたのは驚きである. 証明にはCampanaのSpecial多様体の理論及びオービフォールド対の理論を用いるため, この研究はオービフォールドの観点から射影複素代数多様体の構造を明らかにした研究とも言える.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
極小モデル理論での重要な未解決問題であるアバンダンス予想は, 一般次元において限られたケースでしか成り立つことが知られていない. そのため任意の次元の第2チャーン類が消えている代数多様体に対してアバンダンス予想が示せたのは, 本人としても驚いている. また代数多様体だけでなくコンパクトケーラー多様体においても同様のことが成り立つことが示せたのも良い点である. 数値的小平次元が1という仮定の下で余接ベクトル束が0以上の曲率を持つ射影複素代数多様体の構造を完全に決定できたこともあり, この研究は当初の計画以上に進展していると言える.
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Strategy for Future Research Activity |
第2チャーン類が消えている特異多様体(KLT多様体)についてアバンダンス予想やその構造がどのようなものかを明らかにしていく. 射影複素代数多様体の場合に使えていたCampanaの理論は特異多様体においては成り立たないため, Campanaの理論の特異多様体版を作るか他の方法を模索していく必要があると思われる. これらは今後の研究の課題である.
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Report
(1 results)
Research Products
(13 results)