Project/Area Number |
22K13909
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 11020:Geometry-related
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
山本 光 筑波大学, 数理物質系, 准教授 (50778173)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2026: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | カラビヤウ多様体 / ラグランジュ部分多様体 / 特殊ラグランジュ部分多様体 / 環状近傍 / 第二基本形式 / 完全非線形楕円型偏微分方程式 / 非線形偏微分方程式 / ハミルトン変形 / ミラー対称性 / 幾何解析 |
Outline of Research at the Start |
カラビヤウ多様体内に与えられたラグランジュ部分多様体を,局所ハミルトン変形により特殊ラグランジュ部分多様体に変形できるか?という問題を考える.非線形の楕円型偏微分方程式を解けば良いわけだが,これを連続法で解くことを計画している.非線形楕円型偏微分方程式としてどう表現するか?という問題設定にまず最初の難しいポイントがある.次に連続法で解けない場合何が起きているか?の分析が難しいところである.最後に「本当に局所ハミルトン変形で良いのか?」つまり問題の最適化を行うわけだが,ここにも難しいポイントがある.これらを解決しつつ,できるだけ定量的な評価を導出したい.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的(の概要)は,カラビヤウ多様体内に与えられたラグランジュ部分多様体を局所ハミルトン変形により特殊ラグランジュ部分多様体に変形できるか?という問題に対して,楕円型の偏微分方程式を連続法で解くという方法で挑戦し,平均曲率流による方法と比較検討し,どちらがより有効な方法なのか明確化することである. そのためにはカラビヤウ多様体内に与えられたラグランジュ部分多様体のハミルトン変形を偏微分方程式の問題に帰着する必要がある.それを可能にするのがワインシュタイン環状近傍定理である.これによって与えられたラグランジュ部分多様体上の関数の外微分によってできる1次微分形式が(そのラグランジュ部分多様体に近い)別のラグランジュ部分多様体と同一視できる.精密な解析を行うためにワインシュタイン環状近傍定理で保証される半径がどのような幾何学的量にどう依存しているかを理解する必要があると考えている.そのため今年度も昨年度に引き続きケーラー多様体内に与えられたラグランジュ部分多様体のワインシュタイン環状近傍の半径を外のケーラー多様体とラグランジュ部分多様体の情報で評価する作業を行なった.昨年度に導出した評価があったが,いくつかの推論を進める過程でその評価では不十分(もしくは最適でない)と感じ,より精密な評価を出すということを行なった.また昨年度(部分的ではあるが)特殊ラグラン ジュPDEを外部のカラビヤウ多様体とラグランジュ部分多様体の情報を用いて具体的に書き下すということも行ったが,このPDEは非線形である.後に陰関数定理を使うことを考えると,このPDEの線形化方程式を出す必要がある.今年度はこれを計算し,準線形の楕円型偏微分方程式になることも分かった.これと並行して完全非線形楕円型偏微分方程式の解析学の分野での基本的な結果を精査するなどして情報収集も行なった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定ではPDEの解の存在に関する研究に移行すべき時期と思うが,現時点でもまだ環状近傍の半径の精密な評価を行っている.リーマン多様体のレベルでの環状近傍の半径の評価まではいくつかの幾何学的量で明示的に書けるが,ワインシュタイン環状近傍定理の半径が何にどのように依存しているのか正確に記述するのは当初の想像よりも難しい問題であろうということが浮き彫りになってきた.
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度の前半ぐらいまでは引き続き(多少研究計画が遅れても)ワインシュタイン環状近傍定理の半径の評価を粘り強く行おうと考えている.それでも詳しいことが分からなければ,ある程度はブラックボックスとして,(弱いが)評価自体はあるので,環状近傍の半径の評価はその評価を使うことにして,問題の本質である(特殊ラグランジュ部分多様体の存在と同値な)完全非線形楕円型偏微分方程式の解の存在問題に着手する予定である.
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