Project/Area Number |
22K13910
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 11020:Geometry-related
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Research Institution | Kyoto University (2023) Shinshu University (2022) |
Principal Investigator |
窪田 陽介 京都大学, 理学研究科, 准教授 (30804075)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
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Keywords | 量子スピン系 / 作用素環 / テンソル圏 / 一般コホモロジー論 / トポロジカル相 / 一般コホモロジー / 粗幾何学 / 特性類 |
Outline of Research at the Start |
量子スピン系は,格子点の近くに局在した多粒子の量子力学的振る舞いを記述する数学的モデルであり,関数解析と作用素環を用いて記述される.近年,Kitaevによって`可逆'な量子スピン系のなす集合がスペクトラムをなす,すなわち代数トポロジーにおける一般コホモロジー論を与えているという考えが提案された.本研究の目標はこの提案を関数解析的に実装し,さらに作用素環的な立場から発展させることにある.
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は主に三種類の研究を行った. 第一に,昨年度に研究を進めていたテンソル圏のC*-環への作用をトポロジカルに調べる理論であるテンソル圏同変KK理論の理論的枠組を整備する研究(荒野悠輝氏,北村侃氏との共同)について,論文の形でまとめてプレプリントとして発表した.この研究の内容に関しては2022年度の実績報告ですでに述べた通りである. 第二に,本研究計画の主要部である,スペクトルにギャップを持つ量子スピン系(格子系)のハミルトニアンのなす集合のトポロジカルな,とりわけ安定ホモトピー論的な性質に関する研究を進めた.研究内容の発表には至っていないが,主定理としたい結果の証明に目途が立ちつつある.加えて,常コホモロジー理論(Dijkgraaf-Witten模型)や実・複素K理論(自由フェルミオン)との関係もこれまでより明らかになってきており,そのことによって理論はさらなる広がりを見せている. 第三に,これはより作用素環論に近い内容になるが,数論に由来する力学系およびそれに付随する作用素環に対して,その位相不変量であるK群を計算する計算を実行する研究を行った(武石拓也氏,Chris Bruce氏との共同).ここではスペクトル系列という,代数トポロジーの分野では非常に普及している基礎的な理論を,作用素環のK理論に対して実践したという点に特徴がある. また,本年度には,かねてより執筆を進めていた書籍「物性物理とトポロジー」がサイエンス社より出版された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画の主要な部分である量子スピン系と安定ホモトピー論に関する論文の作成に着手した.技術的困難と思われていた点の多くが解決に向かっており,加えて当初の想定より大きな広がりを持った豊かな理論に育ちつつある.一方で,関連するほかの研究や書籍の執筆,環境の変化などの理由により,この論文に思うように時間を割くことができない期間があり,思うように進んでいない面もあり,これらを総合するとおおよそ想定通りの進み方であるという表現が妥当となる.
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Strategy for Future Research Activity |
短期的には,Kitaevの提案に関する論文を完成させることを目指す.その後は,次のステップとしては2次元の場合に注目して研究を継続することを検討している.トポロジカル相の高次圏論的な解釈や,ハミルトニアンの集合のホモトピー群を決定するような方向性を目指す.
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