Project/Area Number |
22K13917
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 11020:Geometry-related
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
河村 建吾 工学院大学, 工学部, 講師 (00780727)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2026: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 曲面結び目 / 曲面ダイアグラム / ローズマン変形 / ゴリュノフ不変量 / 特異曲面結び目 / カンドルコサイクル不変量 / 拡大アレクサンダー不変量 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は次の3点である.(1)曲面ダイアグラムから有向曲面結び目の不変量を構成するための土台をつくる.(2)有向曲面結び目の新たな不変量の開発し,それを曲面ダイアグラムの研究に応用する.(3)曲面結び目に関する研究手法を手本とし,特異曲面結び目の曲面ダイアグラムの性質を明らかにする.具体的には次の(A)~(D)に関する研究を進める. (A)有向ローズマン変形の極小生成集合の決定. (B)曲面結び目の拡大アレクサンダー不変量の開発とその応用. (C)特異曲面結び目のカンドルコサイクル不変量の開発とその応用. (D)特異曲面結び目を利用した結び目理論の未解決問題(無効交点予想)の解決.
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Outline of Annual Research Achievements |
4次元空間内の曲面結び目を3次元空間へ射影した像に,4次元空間での上下の情報を付加したものを曲面ダイアグラムという.2つの曲面ダイアグラムが7種類の局所変形(ローズマン変形という)の有限列で移りあうとき,かつそのときに限り,それらは同じ曲面結び目を表すことが知られている.曲面ダイアグラムから有向曲面結び目の不変量を構成するときは,構成した数量が7種類のローズマン変形の下で不変であることを示せばよいが,7種類のローズマン変形は曲面の上下や向きによって50個の変形に細分化されるため,これをすべて調べ上げることは容易ではない.そこで,この50個の変形を生成するような有向ローズマン変形の部分集合(生成集合という)を決定できれば,不変性の確認作業を単純化することができる.研究代表者は過去の研究で10個の変形からなる生成集合を1つだけ与えている.本年度は一つの変形がどの変形を用いて生成することができるかを視覚的に理解するために50個の頂点を持つ非連結な重み付きグラフを構成した.これにより10個の変形からなる類似の生成集合を複数与えることができた. 2)ヴァシリエフが定義した結び目の有限型不変量のアイディアを用いて,ゴリュノフは有向閉曲面から3次元空間へのジェネリック写像に対する次数1の不変量を構成した.曲面ダイアグラム(の上下の情報を無視したもの)はジェネリック写像の像と考えることができ,その特異点集合は二重点,三重点,分岐点からなる.特異点集合の逆像は有向閉曲面にはめ込まれた円周の集まりであり,これを二重デッカー曲線という.ゴリュノフ不変量は平面曲線に対する回転数の類似と考えることができ,本年度はこれを二重デッカー曲線を用いて計算する方法を導入した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本年度に有向ローズマン変形の極小生成集合を与えることを目標にしていたが,現状ではその準備段階までしか進んでおらず,研究成果を得るのにもう少し時間を要するため. また,特異曲面結び目のカンドルコサイクル不変量に関する研究を行う予定だったが着手できていないため.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に得られた結果をもとに,曲面ダイアグラムの幾何的な性質をさらに調べることで,有向ローズマン変形の極小生成集合の発見につなげたい.また,特異曲面結び目のカンドルコサイクル不変量に関する研究に着手し,コンピュータを用いて修正版カンドルコホモロジー群の計算を行う. 本年度は曲面結び目のカンドルねじれアレクサンダー不変量に関する共同研究が再開され,正則な曲面ダイアグラムに関する共同研究が新たに始まったため,今後はこれらの研究にも取り組む.
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