Project/Area Number |
22K13923
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 11020:Geometry-related
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Research Institution | Hiroshima Shudo University |
Principal Investigator |
田神 慶士 広島修道大学, 経済科学部, 准教授 (60778174)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2026: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 結び目 / スライス結び目 / リボン結び目 / リボンコンコーダンス / ゼロトレース |
Outline of Research at the Start |
3次元空間に埋め込まれた閉じた紐を結び目という。お皿のような円板状の図形の淵には結ばれていない結び目が現れるが、この円板を4次元空間に持っていくとその淵が複雑に結ばれた結び目になることがある。このような結び目をスライス結び目という。スライス結び目は結び目と4次元幾何学の関係を記述する際に頻繁に登場しており、4次元の図形を理解する上で重要な対象とみなされている。 本研究ではスライス結び目の4次元的解釈の一つと言える、結び目のゼロトレースと呼ばれる対象に着目し、スライス結び目の性質を探る。
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Outline of Annual Research Achievements |
3次元空間に埋め込まれた閉じた紐を結び目という。お皿のような円板状の図形の淵には結ばれていない結び目が現れるが、この円板を4次元空間に持っていく(滑らかに埋め込む)とその淵が複雑に結ばれた結び目になることがある。このような結び目をスライス結び目という。スライス結び目は結び目と4次元幾何学の関係を記述する際に頻繁に登場しており、4次元の図形を理解する上で重要な対象とみなされている。本研究ではスライス結び目の特徴づけを与える問題「スライス・リボン問題」の解決を主目的としている。 当該年度は、スライス・リボン問題への新たなアプローチとしてリボンコンコーダンス半順序集合の極小元の解析を行った。特に、二橋結び目がその二重分岐被覆で特徴づけられることと、幾何化定理の応用として二橋結び目の極小性を完全決定した。その応用として、種数1の二橋結び目や正の二橋結び目は極小元になることを証明している。これらの研究成果は国際論文雑誌に掲載された。また同論文の中で、強擬正結び目が極小元からいくらでも(ある意味で)遠い位置に存在しうることも考察している。正結び目はリボンコンコーダンス半順序集合において極小元になると予想されているが、正結び目は強擬正結び目なので、この考察はその極小性決定の難しさを示唆している。 加えて、昨年執筆した強擬正ファイバー結び目の極小性に関する論文がアクセプトされ国際論文雑誌に掲載予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
科研費申請当初はゼロトレースの観点からスライス結び目の性質を調査する予定であったが、リボンコンコーダンスを用いた研究へ重点を置いた。そのため、自己評価は「やや遅れている」とする。しかしながら、リボンコンコーダンス半順序集合の極小元に着目した研究については一定の結果がでており、研究論文の執筆は順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年に引き続き、リボンコンコーダンス半順序集合における極小元の特定を行う。特に、この半順序集合が帰納的かどうか、に焦点を当てて解析を行う。帰納的であれば、ツォルンの補題によりいかなる無限降下列に対しても極小元の存在が言えるため、極小元や最小元の存在の問題解決に役立つ。スライス・リボン問題は単位元を含む、リボンコンコーダンス半順序集合の連結成分における最小限存在問題ととらえることができるため、この半順序集合の極小元に関する研究を通して、スライス・リボン問題の解決を目指す。
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