Project/Area Number |
22K13932
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 12010:Basic analysis-related
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
永沼 伸顕 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 准教授 (60750669)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 確率微分方程式 / ラフパス解析 / マリアバン解析 / 近似理論 / フーリエ解析 |
Outline of Research at the Start |
本研究はランダムさを含む現象を記述するために用いられる確率微分方程式の解の近似の研究である。確率微分方程式の解を具体的に表示することは一般的にはできない。そのため数値的な解を得るためには近似解を考える必要がある。近似解を考える際には、近似解が真の解とどれほど近いかが問題となる。この問題に正確に答えることが本研究の目的である。特に本研究ではラフパス解析を用いて定式化される確率微分方程式の解に対して、フーリエ級数を用いて構成される近似解を考え、その誤差の評価や漸近分布の決定を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は非整数ブラウン運動を典型例とするガウス過程により駆動される確率微分方程式の解の近似に関する研究を行った。解の近似に関する研究は駆動過程の性質や近似手法ごとに多くの研究がある。例えば、駆動過程の時間差分を用いたオイラー・丸山近似、ミルスタイン近似が典型例である。別種の近似手法にウォン・ザカイ近似がある。これは駆動過程を折れ線で近似し、それを駆動過程とする近似方程式の解を用いて近似解を構成する手法である。ここで折れ線近似も駆動課程の時間差分を用いていることに注意する。本研究の主目的は時間差分を用いない近似手法の研究である。具体的には、ウォン・ザカイ近似に似た手法をとる。駆動過程をフーリエ級数を用いて近似過程を構成し、それを駆動過程とする近似方程式の解を用いて近似する方法を考える。これを広義のウォン・ザカイ近似ということにする。 非整数ブラウン運動のようなガウス過程により駆動される確率微分方程式の定式化にはラフパス解析を用いることが多い。ラフパス解析では駆動過程の重複積分が重要な役割を果たし、近似理論の中でも重複積分の解析が多くの割合を占め、本研究でも重要である。実際、本来の駆動過程の重複積分と近似した駆動過程の重複積分の漸近評価から近似解の漸近評価を得ることができる。このためこの部分が本研究の主要部となる。 また駆動過程をフーリエ級数を用いて近似すると独立な確率変数列から駆動過程を直接構成することになるので、数値計算を行いやすい。その点に注意して数値実験を行いたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
広義のウォン・ザカイ近似の解析において重複積分の解析が重要であることはすでに述べた通りである。非常に典型的な状況では、重複積分の振る舞いは簡単に理解できる。一般的な場合でも同様の振る舞いをすることが予想されるが、詳細な検討が必要となる。本年度は、重複積分の具体的な表示から検討を試みたが、計算の煩雑さがあり上手くいかなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
広義のウォン・ザカイ近似の解析を引き続き行う。特に、重複積分の解析では、その具体的な表示によらず、幾何的な特徴を用いた解析を試みる。また広義のウォン・ザカイ近似の解析以外にも、オイラー・丸山近似の駆動過程の拡張を試みたい。
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