Project/Area Number |
22K13934
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 12010:Basic analysis-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森 迪也 東京大学, 大学院数理科学研究科, 特任助教 (80908616)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 作用素環 / 作用素論 / バナッハ空間 / 等距離写像 / 作用素順序 / 作用素ノルム / ヒルベルト空間 / 作用素環論 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、作用素の順序構造や距離構造に基づいて、作用素や作用素環の性質について明らかにする。具体的には、以下の三つのテーマについての研究を予定している。 (I) 自己共役作用素の集合に対する順序を保つ写像、凸写像、および作用素領域上の正則写像の関係について。その Loewner 理論との比較、作用素平均などの理論への応用について。 (II) 射影作用素の順序構造と作用素環の環同型との対応、von Neumann の連続幾何学をもとにしたその抽象化について。 (III) 作用素の順序・距離構造と数理物理、情報理論の接点について。特に、量子力学や量子情報、相対論に関連した諸問題の研究。
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Outline of Annual Research Achievements |
順序と距離は、Hilbert 空間上の有界線形作用素を考えるうえで重要な二つの構造である。順序は、(半)正定値作用素全体を正錘とするベクトル順序を考える。距離は主として、作用素ノルムにより定まる距離を考える。作用素の距離や順序についての、線形構造に依拠しない研究には、興味深い話題が数多く存在する、本研究では、そのような話題に関連する問題を解決することを通じて、作用素や作用素環について多角的に理解することを目指す。本研究の研究テーマは大きく三部に分かれる。それぞれについて、研究実績を以下にまとめる。 (I) 自己共役作用素の集合に対する順序を保つ写像、凸写像、および作用素領域上の正則写像の関係について。その Loewner 理論との比較、作用素平均などの理論への応用について:(II)との関連をもとに研究を進めている。詳しくは後述。 (II) 射影作用素の順序構造と作用素環の環同型との対応、von Neumann の連続幾何学をもとにしたその抽象化について:(I)とも関連する形で、von Neumann 環の順序に関する既存の成果を一般化する形で、C*環に関する結果が得られないか試行錯誤を行ってきた。 (III) 作用素の順序・距離構造と数理物理、情報理論の接点について。特に、量子力学や量子情報、相対論に関連した諸問題の研究:この話題に関しては、スロベニア・リュブリャナ大学の Peter Semrl 氏との共同研究を行った。射影空間の等距離写像に関する Wigner の定理の拡張として、非拡大写像や非縮小写像について考察した論文を発表した。また、量子情報の問題と関連した、ユニタリや射影のなす有限距離空間の性質に関する論文を発表した。以上のほかに、作用素環や Banach 空間の距離構造にかかわる論文を2編発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画の内容に概ね沿った研究内容を行い、一定の成果が得られた。計画からは少し異なる方面でも成果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在進行中の研究について簡単に述べる。 まず一つ目は、Minkowski 時空間のあいだの写像の研究である。Minkowski 計量を保つ写像が特別な形をしている、ということは古くから知られている。それよりずっと弱い仮定の下で、どのような結論が得られるか、という研究を進めている。この成果は2023年度中の発表を見込んでいたが、論文が長大となったため発表が遅れている。二つ目は、射影とベキ零行列の距離に関する研究である。これは2023年度に発表した論文の内容を深めるものである。三つ目は、C*環のスペクトルを保つ写像に関する研究である。いずれの成果も2024年度中には公開できる見込みである。 以上のほかに、作用素の順序にかかわる研究を進める予定である。
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