Project/Area Number |
22K13936
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 12020:Mathematical analysis-related
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
中里 亮介 早稲田大学, 理工学術院総合研究所(理工学研究所), 次席研究員 (00910837)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2026: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | Hall-MHD方程式 / Herz型空間 / 最大正則性 / 漸近安定性 / 圧縮性粘性流体 / 臨界適切性 / 電磁流体 / ホール効果 / 特異極限 |
Outline of Research at the Start |
本課題では, Hall効果が圧縮性・非圧縮性電磁流体に及ぼす影響を, 長時間漸近挙動や特異極限等の数学的観点から解明することを目的とする. この問題はHall効果を考慮したOhmの法則を導入し, Navier-Stokes方程式とMaxwell方程式の連立系にMHD近似を施すことにより正当化されることが知られている. 導出された方程式系はスケール不変性という特性を有するため, その初期値問題の適切性(解の存在と一意性, 統撤性, 時間連続依存性)や平衡状態周りでの漸近安定性を不変スケールから自然に定まる実補間空間上で考察する.
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Outline of Annual Research Achievements |
1. Haas(2005, Phys., Plasmas)の論文内で導出された量子効果を伴うHall-MHD方程式の解の時間大域適切性を, Herz型空間を基調とした臨界Besov空間上で考察した. このモデルはNavier-Stokes-Korteweg方程式と線形構造, 非線形構造が共に酷似しており, 量子修正部分からくる解の平滑化作用を表す最大正則性とHerz型Besov空間上での非線形評価を導出し, 既存の研究で扱われている初期函数よりも原点近傍に強い特異性を持つ函数に対して時間大域解が構成できることを証明した. 2. 1.で述べた量子効果を伴うHall-MHD方程式の解の長時間挙動に関しても考察した. 初期値の低周波帯に付加的なHerz型ノルムの小ささを課すことで, 定数定常状態周りでの解の漸近安定性を証明した. 特に, Herz型Besov空間上での函数の積評価をlimiting caseで導出したことで, 付加的なHerz型ノルムに関する位相を既存の研究よりも弱めることに成功した. 3. 初期値の低周波帯のノルムの小ささを緩和する研究も行った. 従来, Herz型空間は主に積分方程式に現れる積分核の評価に用いられていたが, 積分方程式の意味で解を構成することが難しい圧縮性流体方程式やHall-MHD方程式に対してこの技法は相性が悪い. そこで積分核の具体形を必要としない, エネルギー法をベースとしたHerz型空間上での評価の導出に関して考察し, その応用として, 量子効果を伴うHall-MHD方程式の漸近安定性に対し, 初期値の低周波成分の小ささに関する仮定を一部取り除くことに成功した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
圧縮性Hall-MHD方程式の臨界適切性をHerz型臨界Besov空間上で証明するために必要な技法として, 非線形評価としては, 函数の積評価, Kato-Ponce型の交換子評価, 圧力部分を制御するための合成函数の評価, また線形部分の評価であるエネルギー法が挙げられるが, 今年度は交換子評価以外の非線形評価についてその導出が概ね完了した. また量子効果を伴うHall-MHD方程式に現れるPlanck定数を0に収束させる半古典極限近似の方法を用いて, Hall-MHD方程式の可解性の正当化が期待されるため, 今回得られた研究成果ではその重要な第一段階をクリアできたことを意味する.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は圧縮性Hall-MHD方程式の臨界適切性を証明するために, Hall効果からくる準線形部分を制御する技法としてKato-Ponce型の交換子評価の導出をHerz型空間上で試みる. また別アプローチとして, Lagrange座標系上でのHall-MHD方程式の数学解析についても考察する. Hall-MHD方程式の解の長時間漸近挙動に関しては, 流体部分の方程式, 例えば, 圧縮性Navier-Stokes方程式やKortewegモデルに関して臨界空間上では未知な部分が多いため, その数学解析から始める.
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