Project/Area Number |
22K13941
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 12020:Mathematical analysis-related
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
宮崎 隼人 香川大学, 教育学部, 准教授 (70752202)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2026: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 非線形分散型方程式 / 非線形シュレディンガー方程式 / 散乱問題 / 解挙動 / 散乱理論 / 解の分類 / 分散性 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、非線形分散型方程式と呼ばれる、解である波の位相速度が振動数に依存する性質を持つ微分方程式における解の長時間挙動を解明することである。非線形分散型方程式は、波を空間全体に広げる分散性と、波を集中させる非線形性の相反する性質を持ち、これらの相互作用により解挙動は様々な様相を示すため、その解析は容易ではない。本研究では、調和解析などの解析学の概念を駆使することで、解挙動の解明に寄与する重要な未解決問題の解決を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、川本昌紀氏との共同研究である、時間減衰する調和振動子を持つ非線形シュレディンガー方程式(NLS)の散乱問題について研究を進めた。特に、多項式とは限らない一般の斉次型非線形項を持つ場合の終値問題について、解が散乱解を持つか、修正散乱解を持つかに対応する非線形項の形状に関する十分条件を与えることに成功し、結果をまとめ論文を投稿した。この論文はJournal of Differential Equationsに掲載受理され、近日中に出版される予定である。さらに、時間減衰する調和振動子を持つNLSにおいて、ゲージ不変性を持つべき型の非線形項に限定し解の散乱作用素の構成を試みた。特に、先行研究で技術的に必要となっていた調和振動子の時間減衰する係数の大きさに関する条件を取り外すことを大きな目的とした。散乱作用素を構成するには、与えられた漸近形に実際に時刻無限大で漸近するような解を構成する終値問題、与えられた適切なクラスの初期値に対する解が時間大域的であり、さらに特定の漸近形に時刻無限大で漸近することを示す初期値問題がある。特に終値問題を考察する際、先行研究では時間に関する重み付きストリッカーツ評価を用いる必要があり、その弊害として時間減衰する係数がある意味で非常に小さいものしか扱うことができなかった。これは調和振動子を持たない通常のNLSに近い状況しか取り扱うことができていないことを意味する。しかし、線形レベルでは時間減衰する係数がある程度大きくても基本解は減衰するので、この条件は非線形問題でも取り外すことが期待できた。本研究において、この制限を取り外す方法を発見し、現在論文作成に取り組んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度は、継続課題であった時間減衰する調和振動子を持つ非線形シュレディンガー方程式の散乱問題の研究について、川本昌紀氏と共著論文を執筆しJournal of Differential Equationsに掲載受理された。また、新型コロナウィルス感染症による行動制限も緩和され、対面での議論を再開することができ、上記の方程式に関して研究の進展を得ることができた。また、今年度は5回の研究集会を主催したり、国内の研究集会に参加したりすることで、対面での討論を行うことができ、新たな研究の方向性も生まれつつある。以上を踏まえ、進捗状況をおおむね順調に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
まず継続課題である、時間減衰する調和振動子を持つ非線形シュレディンガー方程式の散乱問題の研究について、新しい論文を完成させ報告する。また、解が散乱しない場合や、ゲージ不変でない非線形項を持つ場合の初期値問題など、未開拓領域が多く広がっているため研究を積極的に遂行したい。また、非線形クライン・ゴルドン方程式の散乱問題や定在波の安定性等に関する研究も準備を進めているので、継続課題として取り組んでいきたい。予算執行について、昨年度までの外部資金を延長していたので大きな残額が生じている。共同研究者の招聘や研究連絡、研究集会実施に伴う講演者の招聘等、研究成果に繋がるよう計画を立て、適切に予算執行を行いたい。
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Report
(1 results)
Research Products
(10 results)