Project/Area Number |
22K13997
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 13030:Magnetism, superconductivity and strongly correlated systems-related
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
藤本 純治 埼玉大学, 理工学研究科, 助教 (10794878)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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Keywords | スピン渦度結合 / 粘性流体 / 渦度 / スピン軌道相互作用 / スピンHall効果 / スピントルク / 電流渦 / 磁気スキルミオン / 幾何学的制御 / スピントロニクス |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は,電流渦による磁性制御の基礎理論の構築である.これは,2020年の磁気スキルミオン生成消滅実験に対して,電流の渦による有効磁場が実験事実を説明できうるという論文が発表されたことに端を発する.この論文により電流渦による磁性の制御という新奇な研究分野が示唆され,その基礎理論の構築が急務となっている.本研究は,電流渦によるスピントルクの導出,スピン電流渦度結合の微視的理論による導出,電流の渦度分布の解明という三つの課題で構成される.本研究の遂行によって,新原理に基づく磁気メモリデバイスの誕生が予想され,より効率的な磁気メモリデバイスの開発に繋がる可能性がある.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的である電流渦による磁性制御の基礎理論の構築を目指して,本年度はスピン電流渦度結合の微視的理論による導出という課題に取り組んだ。昨年度はスピン渦度結合を生み出しうる微視的ハミルトニアンを有効場の理論を用いて波数に対する依存性を明らかにしていたが、今年度は特殊相対論に基づいて具体的にその依存性を満たすハミルトニアンを導出に成功した。この導出に際して、他にも興味深い相互作用を与えるハミルトニアンを得ることができ、予想外の発展が見られた。また、これらの成果をまとめた学術論文の執筆を行なっている。さらに、有限要素法を用いてノッチ構造がある場合の電流の分布を電子流体の方程式に基づいて数値的に解き、それから渦度分布を求めてノッチ構造の幅や長さ、曲率半径を変えることで渦度が増強されることを見出し、その定量的な式を導いた結果も論文にまとめている。スピン渦度トルクの微視的導出にも取り掛かっていおり、準備段階ながらSterng-Gerlach効果に相当するスピントルクが得られている。 そのほかに、昨年度プレプリントとして発表した、スピン軌道相互作用によって生じるスピンHall効果により電流が粘性流体としてふるまう内容の論文について国際会議と国内学会において発表を行った。 また、f電子系のDyへのスピンポンピング効果の論文が Applied Physics Express に、強磁性とスピン軌道相互作用が競合することでスピンHall効果に磁化依存性が生じることを示した論文がPhysical Review Bに掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度は当初の計画以上に進展していたが、今年度は出産育児と教育業務により研究時間が減ってしまったため、計画通りの進展具合に戻った。
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Strategy for Future Research Activity |
現在のところ研究計画を実行するにあたって特段の解決すべき問題は見つかっていないので、計画通りに実行する。
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