Project/Area Number |
22K14055
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 15020:Experimental studies related to particle-, nuclear-, cosmic ray and astro-physics
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Research Institution | National Institute of Technology, Toyama College |
Principal Investigator |
清野 義敬 富山高等専門学校, その他部局等, 助教 (30934773)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2023: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
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Keywords | プラスチックシンチレータ / 放射線検出器 |
Outline of Research at the Start |
本研究では一般的なプラスチックシンチレータの生産性を凌駕し、形状の自由度も高いという長所が担保できる新材料を用いたフレキシブルな常温硬化型プラスチックシンチレータの基礎研究を行う。 現在、一般的なプラスチックシンチレータを用いた検出器において、検出器デザインの制限や大規模検出器での大量生産性の必要といった課題を抱えており、研究発展の制約となっている。新材料を使うことによって硬度の調整により、柔軟性を持つ新たな付加価値を持った常温硬化プラスチックシンチレータの作製が可能であることがわかった。そのため本研究では様々な実験へ応用発展させるための性能向上研究や長期安定性試験などを計画している。
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Outline of Annual Research Achievements |
近年のコライダー実験やニュートリノ実験分野において、微細分割シンチレータ検出器の需要が高まっており、大量生産性と形状工夫の両立した、安価なプラスチックシンチレータが求められている。そこで本研究ではフレキシブルな常温硬化型プラスチックシンチレータの研究開発を行っている。常温硬化プラスチックシンチレータは従来の熱硬化プラスチックシンチレータと異なり、作製において高温設備や精密な温度コントロールの整備が不必要なため、安価で量産性が高く、検出器の大規模化が可能である。また、本研究で開発しているプラスチックシンチレータは硬度を調整することによって、柔軟性を持つ「柔らかいプラスチックシンチレータ」という斬新な特性をもっている。 現時点において、まずはフレキシブルな常温硬化型プラスチックシンチレータの実用化および様々な実験への応用を見据えて、シンチレータ自体の基礎性能向上に取り組んでいる。 本研究において必要となってくるシンチレータの測定についてはPMT2台を使用してコインシデンスをとることでノイズを減らすセットアップを計画し、実際にその測定セットアップの構築を完成させ、放射線源を使用してのフレキシブルなシンチレータによる放射線計測を行うことができるようになった。測定データの解析環境も整い、シンチレータの性能評価の実施も可能となった。 また、フレキシブルな常温硬化型プラスチックシンチレータの材料や作製に必要な機材についても揃えることができ、実際に実験室においてフレキシブルなシンチレータを試作することに成功した。それによってシンチレータの基礎性能を向上させるための作製手順最適化を開始することができている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
フレキシブルなシンチレータの材料および製作環境の整備が完了し、実験室で実際にシンチレータを試作できるようになった。また、シンチレータの測定セットアップの構築およびデータ解析の環境の整えることも完了したため、シンチレータを試作し、測定して解析するといったシンチレータの性能評価のための一連の手順ができるようになった。 しかしながら、上記のようにシンチレータの性能評価を実施できるようにするための整備を優先したため、予定していた撹拌脱泡器の導入がまだ実施できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
シンチレータについて一連の性能評価手順を実施できる段階となったため本格的に基礎性能を向上させるための作製手順最適化を実施していく。導入を予定している撹拌脱泡器を利用することで現行の作製手法よりも優れた性能向上や作製時間の短縮を目指していく。 また、フレキシブルなシンチレータの材料自体についても現在購入しているものとは別の製品を使用してみることでどのように性能が違ってくるかを調べる予定である。これによって現行で使用している材料よりも優れた材料を探っていきたいと考えている。
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