Upgrade of the active target for RI beam experiments with ultra-fine substrate processing technology
Project/Area Number |
22K14059
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 15020:Experimental studies related to particle-, nuclear-, cosmic ray and astro-physics
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
古野 達也 大阪大学, 大学院理学研究科, 助教 (30876363)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
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Keywords | 不安定核実験 / アクティブ標的 / クラスター構造 / 原子核実験 / 不安定原子核 / 放射線検出器 / フレキシブル基板 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、不安定核におけるαクラスター構造を探索するために、アクティブ標的の高度化を目指す。現在の我々のアクティブ標的では、反跳粒子の飛跡を構築するためのTPC読み出し基板に、直交する2方向のストリップ構造を採用している。この手法では、反跳粒子がストリップに平行に入射するとその飛跡を構築できず、解析の効率低下を招く欠点を持つ。そこで本研究では読み出し基板を3方向のストリップ構造へ改良する。また、反跳粒子検出の位置分解能を向上させるためには、ストリップの間隔を微細化する必要がある。本研究では微細加工性に優れたフレキシブル基板技術を世界で初めてTPC読み出し基板に導入する。
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Outline of Annual Research Achievements |
自然界において、個々の構成要素が複数個集まって、塊を形成する"クラスター相関"は あらゆる階層に発現する普遍的な現象である。 それぞれの階層における クラスター構造の起源を明らかにする ことは、その階層を支配する相互作用 を理解する上で極めて重要である。 本研究では、陽子や中性子数が過剰な不安定な原子核におけるアルファクラスター構造の実験による解明を目指している。 実験では不安定核ビームをヘリウム原子核と非弾性散乱させ、反跳されるアルファ粒子の角度・エネルギーを測定することでクラスター構造の励起エネルギー、遷移強度を決定する。クラスター構造では移行角運動量が0の遷移強度が増大すると予想されるため、理論計算と比較することでアルファクラスター構造の同定が可能である。反跳アルファ粒子の検出には我々が近年開発したMAIKoアクティブ標的を用いる。 MAIKoは入射する荷電粒子の飛跡を決定できる飛跡検出器TPCである。従来のMAIKoでは、飛跡を互いに直行する2方向のストリップ電極によって飛跡を決定していたが、この方式ではストリップに平行に入射する不安定核ビーム粒子の角度を正確に決定することができず、励起エネルギーの分解能悪化を招いていた。そこで、本研究では電極構造を2方向から、互いに60度で交わる3方向のストリップ電極へ改良する。3方向とすることで、たとえビーム粒子が1つのストリップに平行に入射しても、残りの2方向のストリップから角度を決定することができる。 本年度はこれまでに作成した3方向読み出し電極の試作機の性能評価で明らかになった、クロストーク問題を解決するために、新たな読み出し電極の試作機の開発を完了させた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度は当初の目標であったフレキシブル基板技術を用いた3方向読み出し基板の設計、製作を終えることができた。この基板では、プロトタイプ基板で判明したクロストークの問題を解決するための改良が施されている。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は製作した3方向読み出し基板を既存のMAIKoアクティブ標的に実装する予定である。これまでのMAIKoアクティブ標的では電子の増幅にマイクロピクセルチェンバーを用いていたが、3方向読み出し基板にアップグレードするにあたって、新たにガス電子増幅器を導入する必要がある。3方向読み出し基板を組み込んだ後は直ちにアルファ線源を用いてその飛跡構築の角度分解能を評価する予定である。 また、性能評価結果を学術論文や学会で発表するとともに、不安定核実験に向けて実験提案書の提出を行う予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)