Project/Area Number |
22K14077
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 16010:Astronomy-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
庄田 宗人 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (20868939)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
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Keywords | 恒星風 / 恒星コロナ加熱 / 恒星X線放射 / 恒星紫外線放射 / 恒星磁気活動 / XUV放射 / 太陽系進化 |
Outline of Research at the Start |
地球の進化、さらには太陽系全体の進化を理解する上で太陽の磁気活動がどのような歴史を辿ってきたかを理解することは極めて重要だ。過去の太陽の様子を理解するには太陽によく似た若い星を見つけそれを観測するのが常套手段であるが、残念ながら太陽以外の恒星の磁気活動を観測するのは極めて難しい。そこで本研究計画では現在の太陽の磁気活動を数値シミュレーションで再現し、それを拡張することで太陽磁気活動の歴史を理論的に理解することを目指す。さらに近年系外惑星の観点から注目される赤色矮星の磁気活動モデリングにも挑戦する。
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Outline of Annual Research Achievements |
恒星圏特性を決定する最も基本的な要素は恒星風と恒星XUV(X線と極端紫外線の総称)放射である。これらを理論的に推定すべく、2022年度は「1. 新たな物理素過程を取り入れた恒星風モデルの構築およびそれを用いた恒星風スケーリング則の導出」、「2. XUV放射モデルの恒星観測による検証」の二つの研究課題に取り組んだ。 これまでの恒星風理論研究においては恒星表面の熱対流と磁場の相互作用により生み出される波動(アルベーン波)をエネルギー源とするモデルが盛んに研究されてきた。しかし近年の太陽観測によると太陽内部から浮上してきた磁場の塊(浮上磁場)もエネルギー源として重要であることが示唆されている。このような背景のもと、私はアルベーン波と浮上磁場の両効果を取り入れた新たなモデルの枠組みを考案し、その数値シミュレーションを行った。シミュレーションをもとに導出したスケーリング則は太陽観測、恒星観測いずれとも整合的であり、恒星風形成においてアルベーン波と浮上磁場の両方が重要であることが示された。 太陽や太陽型星の外層大気は数百万度の超高温に加熱されており、この大気層をコロナと呼ぶ。コロナからは高エネルギーの電磁波(XUV)が恒常的に放射されている。逆に言えば恒星からのXUV放射を観測すれば恒星コロナ加熱の理論モデルを制限できる可能性があるということである。私は以前開発した太陽XUV放射モデルを一般の太陽型星へ拡張し、得られた放射スペクトルを観測と直接比較することでモデルの検証を行った。比較を行った三つの恒星観測のうち二つは太陽モデルの延長で非常に良く再現することができた。一方特に磁気活動の激しい恒星についてはこれまでのモデルの延長で説明することはできず、新たな加熱機構の必要性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度に取り組んだ二つの研究課題はいずれも順調に進行しており、滞りなく論文化可能な見通しが立っている。また、いずれの研究も太陽型星(太陽と同程度の質量を持つ恒星)にターゲットを絞っており、今回の成果が出たことでより一般の恒星(小質量主系列星)へモデルを拡張する弾みがついたと言える。以上の理由から成果の創出、今後の研究への発展、いずれの観点からも研究は順調に進行していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度に行った研究はいずれも太陽型星にターゲットを絞っていたため、より一般の小質量星へモデルを拡張する。また、これまでは一次元モデルをベースに多次元効果を現象論的に取り入れていたので、それらの妥当性を三次元数値計算で直接的に検証する。計算負荷の少ない一次元計算とより物理的に正確な三次元計算をうまく併用しながらモデルの改良、発展に努める。
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Report
(1 results)
Research Products
(9 results)