Project/Area Number |
22K14096
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 17020:Atmospheric and hydrospheric sciences-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊地知 敬 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (30906128)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 深海乱流混合 / 混合効率 / 内部重力波 / 砕波 / 対流不安定 |
Outline of Research at the Start |
地球の長期気候変動を強くコントロールする深層海洋大循環を把握するためには、ブラックボックスとなっているミクロな深海乱流混合の全球的な定量化が欠かせない。本研究では、従来、海洋乱流の駆動機構として暗黙のうちに仮定されてきた「シアー不安定」よりも、はるかに効率的に優れた「対流不安定」によって駆動される深海乱流混合のホットスポットを同定することで、深海乱流混合のグローバルな強度分布の高精度化を目指していく。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、海洋中に存在する様々な内部重力波の中で、どのような振幅・周波数の内部重力波の砕波が、これまで暗黙のうちに仮定されてきた「シアー不安定」よりもはるかに効率的に優れた「対流不安定」によって駆動されているのか、その条件を明らかにすることを目指している。 本年度は、学術研究船「新青丸」の共同利用航海によって、半日周期の内部潮汐波の顕著な励起源であり、その内部潮汐波のパラメータ共振により近慣性重力波が卓越していることが期待される伊豆・小笠原海域の臨界緯度30度付近において、約3日間にわたるLADCP/CTDのヨーヨー観測を行うことができた。その結果、期待通り、低鉛直波数の内部潮汐波と高鉛直波数の近慣性重力波が卓越していることを、当該海域において初めて、時系列観測から直接的に示すことに成功した。また、LADCP/CTDのヨーヨー観測中に、乱流計搭載フロートによる乱流自動観測が試験的に実施された。その結果、近慣性重力波が特に卓越する中層の水深1000m付近で乱流が強化されること、および、その乱流強度が最近提案されたIjichi-Hibiyaの乱流パラメタリゼーションによる予報値とよく合致することを、これまでの個々の鉛直プロファイルの比較からだけではなく、数十個の鉛直プロファイルの平均からでも示すことができた。現在、得られた乱流データから近慣性重力波に伴う強乱流イベントの混合効率の推定を試みていて、前年までに明らかにしたルソン海峡において観測された効率的に優れた大振幅の内部潮汐波の直接砕波の場合と比較する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
伊豆・小笠原海域での乱流・内部波観測とそのデータ解析に時間を要し、当初に予定にしていた数値計算を行うことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、卓越する内部重力波の特徴が大きく異なるルソン海峡と伊豆・小笠原海域における観測結果を比較して、乱流混合効率に違いがないか検証する。ここまでに得られた観測結果をまとめて、国際誌に投稿する。その後、観測されたような内部重力波が励起して砕破するまでの過程を高解像度の数値シミュレーションで再現し、混合効率の計算値と観測値との整合性を検証していきたい。
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