Project/Area Number |
22K14141
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 18010:Mechanics of materials and materials-related
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
平田 祐樹 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 助教 (90779068)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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Keywords | hBN / グラフェン / 物理気相成長法 / ファンデルワールスヘテロ構造 / vdWH / PVD / TEM / XPS / hBNナノシート / マルチヘテロ構造 |
Outline of Research at the Start |
グラフェンやhBNナノシートの優れた特性を幅広い産業界に応用展開するためには、高品質かつ高スループットな合成を可能にする革新的手法の開発が必須である。またさらに、グラフェンとhBNナノシートを互いに組み合わせて得られる、接合・積層型ナノシート構造は、ナノ構造新機能デバイスの設計自由度を飛躍的に向上することが期待されているものの、確立された合成技術は皆無である。そこで本研究では、グラフェンとhBNナノシートそれぞれの合成技術を互いに組み合わせた、接合・積層型構造のシームレスな合成技術の開発を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
グラフェンや六方晶窒化ホウ素ナノシート(Hexagonal boron nitride:hBN)をはじめとする2次元材料は、従来のバルク物質とは異なる特性・構造を持つことで、従来材料の特性を凌駕する機能を発現することが可能であり、新規材料や革新デバイス・ナノシステムの開発につながることが期待されている。これら2次元材料は構造および特性が確定しており、かつ、原子レベルでの膜厚制御が可能なことから、互いに接合・積層させたヘテロストラクチャーとすることにより、新構造・新原理デバイスを設計する際のビルディングブロックとしての有効性も期待されている。 2023年度はhBNとグラフェンの合成条件の最適化を行った。hBNについては従来の基板材料をCuからNiにすることで結晶構造の飛躍的な向上が確認できた。Niの場合Cuに比べて格子ミスマッチが小さいことと、融点が高いためhBN構造の結晶化温度が高いより高温条件下での合成が可能であることが理由と考えられる。グラフェンに関しては、FCVA法によりNiにカーボンイオンを注入しポストアニーリングすることで、高い結晶性を有するナノシート構造が合成されることが分かった。 一方、hBNとグラフェンを組み合わせたファンデルワールスヘテロ構造(van der Waals Heterostructure)の合成についても試みたが、下層の構造が上層の成膜時に破壊されてしまうため実現できなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
hBNとグラフェンの最適な合成条件を見出すことには成功した。それぞれの二次元材料の品質はラマン分光分析、X線分析、TEM観察により確認済みであり、世界第一線の研究報告例と同程度の品質を有していることがわかっている。またさらには、これらの研究報告例では1層あたり1時間で合成されることが通例であるが、我々の合成手法(SAHP:Sputtering-Annealing Hybrid Process)法では1層あたり1分の超高速での合成が可能であることに大きな特徴があり。しかしながら二次元材料を組み合わせたvdWHの実現にはまだ課題があるため2024年度の課題としたい。
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Strategy for Future Research Activity |
hBN、グラフェン以外の他の二次元材料の合成実験を行う。具体的にはMoS2などに代表されるTMDCを検討している。そしてこれらを組み合わせたvdWHの実現を目指していく。vdWHの実現のためには、各種二次元材料の合成条件の最適化だけでは不十分である。そこで2024年度は合成条件を検討するための実験的アプローチだけでなく、二次元材料間の界面に作用する複雑な化学的作用や物理的現象を明らかにするために理論計算にも着手していく。計算手法としては分子動力学シミュレーションと第一原理計算をカップリングしたマルチスケールシミュレーションである。計算には本学所有のスーパーコンピュータ(TSUBAME)を使用する。
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