Project/Area Number |
22K14172
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 18040:Machine elements and tribology-related
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Industrial Technology Research Institute |
Principal Investigator |
齋藤 庸賀 地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター, 研究開発本部機能化学材料技術部プロセス技術グループ, 副主任研究員 (90806001)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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Keywords | 摩擦 / 超低摩擦 / トライボフィルム / DLC / ZrO2 / エタノール / その場観察 / 摩擦試験装置 / DLC / ジルコニア |
Outline of Research at the Start |
先行研究において,DLC膜とZrO2球を特定の環境条件にて摺動摩擦することで,摩擦係数が0.01を下回る超低摩擦現象を確認している.この現象は超低摩擦を長期にわたり維持でき,水素環境下においても発現することが確認されている.一方で,超低摩擦現象発現に必要な条件および,そのメカニズムについては未解明な部分が多く,汎用化・実用化への活路が見いだせていない.本研究は,“なぜ特定の材料,特定の雰囲気でしか超低摩擦現象が起こらないのか?”の学術的問いに対して,摺動界面を直接観察,分析できる摩擦試験装置を構築することで摺動界面の現象をダイレクトに解明し,超低摩擦現象の汎用化・実用化を図る.
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Outline of Annual Research Achievements |
初年度~2年目にかけての研究目的は、「超低摩擦発現メカニズムの解明」であり、2年目は1年目の取り組みで課題となった評価装置の改良、安定した雰囲気供給システムの構築に取り組んだ。 具体的には、試験中に検出される摩擦力と垂直荷重のデータの遅延を低減させ、摩擦力の低下現象が生じた際、瞬時に記録できるように装置システムを再設計した。また、雰囲気導入ライン上に雰囲気の状態を記録すための一時貯蔵タンクを設け、調整した気体をタンクから供給できるように構築した。 結果①試験システムの改良:試験中に検出される摩擦力と垂直荷重の検出ラグがなくなったことで、摩擦係数の記録精度が20%以上向上した。これにより、瞬間的に表れるトライボフィルム動画情報と摩擦係数を相関づけて記録することができるようになり、メカニズム解明に大きく前進した。 結果②雰囲気湿度の影響:一時貯蔵タンクを用いた評価システムによって、雰囲気調整の制御が容易となった。一方で、実験中にアルコールセンサー検出センサーの検出機構上の欠点として、センサー周辺の流速によって検出感度が変わることが明らかとなった。このため、これまでの雰囲気調整の保証ができなくなるとともに、過去の知見との相関が取れなくなってしまった。アルコール流量の記録は超低摩擦を発現するトライボフィルムの原料として、なくてはならない情報であり、センサーの検出機構を考慮した記録システムもしくは貯蔵タンクの改良が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
摩擦検出、In-situシステムの構築はほぼ100%実施できた。一方で、実験中雰囲気のアルコール検出量の精度が保証できなくなったことで、試験データの信ぴょう性が保証できなくなってしまい、メカニズム解明に重要なデータの記録ができなくなってしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、試験スケジュールは当初予定より大幅に遅れいる。現状の状況を含めて、今後の推進方針は以下の二つである。 ①試験雰囲気データの記録法の変更: 本研究における雰囲気の調整は摩擦試験面への吹きつけによる調整である。 現在、摩擦試験面へ2口のノズルから雰囲気ガスを供給しているが、3口のノズルに変更し、そのうちの1口から出てくるガスに含まれるアルコール量を記録できるシステムに再構築することで、試験中のガス雰囲気のデータを記録する予定である。 ②超低摩擦現象の適用範囲の拡張: 上記の取り組みと並行して、本現象を拡大できるように各種触媒材料の調査、ボール試験片へのDLC付与による接触機構が異なる摩擦面での本現象の発現可能性を検討する。
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