Project/Area Number |
22K14191
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 19020:Thermal engineering-related
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
中倉 満帆 新潟大学, 自然科学系, 助教 (20849369)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 多孔質 / 多孔体 / 集光型太陽熱 / 太陽熱 / 太陽燃料化 / ソーラーレシーバ / 太陽熱燃料化 / 熱輻射 / 強制対流 / 最適設計 / 伝熱 / 数値シミュレーション |
Outline of Research at the Start |
本研究は,集光型太陽熱利用による燃料製造サイクルへの応用を想定した高温ソーラーレシーバを対象とする.集光照射を受ける高温ソーラーレシーバ実機を想定したファインセラミクス多孔質体について,モンテカルロ光線追跡と直交格子を用いた大規模・複雑構造における熱流体数値シミュレーション手法の連成解析法を構築し,そこに形状最適化手法を導入する.研究目的は,レシーバにおけるミクロ-マクロスケール伝熱現象の相互作用の解明,ミクロスケールとマクロスケールそれぞれの最適化を互いに整合させたレシーバの真の最適形状の設計とその実験的検証である.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、集光型太陽熱利用や光触媒担持フィルターなどで用いられる、光が入射する多孔体を対象とする。とりわけ、1500℃を超える作動温度で使用する多孔体ソーラーレシーバリアクターについて、熱ふく射-熱伝導-対流熱伝達が連成する伝熱現象数値シミュレーション手法を構築・拡張・実験的検証を行うことで、高効率高温ソーラーレシーバ設計のツールを開発することを目的とする。 ソーラーレシーバにおける熱伝達問題に対して、全体形状等のマクロスケール効果を解析するために連続体近似モデルの開発を進めた。これは、実多孔体形状をマクロパラメータを持った連続媒体として取り合うことで、これまで多孔体の孔径スケールによって制約があった比較的狭い領域での数値シミュレーションをレシーバ全体まで拡大することが可能となる。一方で正確なモデリングには、透過係数や熱伝達率といった熱流動に関するパラメータ、または減衰係数や散乱位相関数といった熱ふく射に関するパラメータを正しく見積もる必要がある。本研究では、格子流路を最も簡単な多孔体構造とし、その熱流動に関して孔径スケールの直接数値シミュレーションから多孔体を透過する発達/未発達流と透過係数の関係を調査し、日本伝熱シンポジウムで講演発表を行った。また、レシーバ実機スケールの流れ数値シミュレーションを行い、流量や形状の違いが多孔体上部で形成する渦構造に与える影響について解析、さらには可視化実験でそれを検証し、日本機械学会の支部講演会で報告を行った。熱ふく射に関しては、実多孔体構造とまたは格子流路で構成したキャビティ多孔体構造について光の入射解析を行い、ビーム幅が吸収量分布に与える影響について知見を集積した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで構築してきた熱輻射-熱伝導-対流熱伝達の連成数値シミュレーション手法を非定常化し、高温ソーラーレシーバにおける熱収支の時間変化の解析を行った。また波長の影響を含む複数バンドのDOふく射モデルを適用することで、波長がソーラーレシーバの伝熱問題へ与える影響について新たなる知見を得た。これらのデータについては現在ジャーナルへの投稿準備中である。また、多孔体のモンテカルロ光学解析では、周期化した格子流路多孔体モデルを作成し、光線追跡によって減衰係数や散乱位相関数を算出した。また、今後の実多孔体の使用やレシーバフルスケールでの大規模解析に向けて、モンテカルロ光線追跡コードをMPIによる並列化を行った。これらのデータについても現在ジャーナルへの投稿準備中である。実験では、多孔体の圧力損失について流量・セル密度・厚みを変更した実験を複数回行い、研究室で焼成したセラミック多孔体の流動特性評価を行った。また、ラボスケール多孔体ソーラーリアクターの同サイズの可視化モデルを利用した実験では、流量・セル密度を変更することでリアクター内で起きる特徴的な流れパターンの変化を撮影することが出来た。左右の入口から流入した気体が衝突し多孔体上部で渦を形成するこの流れパターンについては、同スケールの直接数値シミュレーションからも確認することが出来た。以上の実験結果は、日本伝熱学会や日本機械学会の研究発表講演会等で報告を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
3年目では、2年目で得られたデータを使用した多孔体ソーラーレシーバの大規模数値解析コード開発とその実証試験用の実験装置立ち上げとデータ収集を行う。 実験や数値シミュレーションで得られた熱伝達率や透過係数、減衰係数等の多孔体マクロパラメータを連続体モデリングへ適用し、ソーラーレシーバの大規模数値シミュレーション法を構築する。これにより、これまで未検討であった多孔体のミクロ-マクロスケールでの伝熱現象の相互効果を明らかとする。また同様に、波長依存性が多孔体レシーバに与える影響も調査し、学会発表やジャーナル(International Journal of Heat and Mass TransferやSolar Energyなど)投稿を行う。また、それと並行して、孔径スケールでの多孔体実構造を利用した熱流動直接シミュレーションや光学解析を行い、上記連続体モデリングへ使用するマクロパラメータ導出の精緻化を行う。また、上記数値シミュレーションの実証試験のため、太陽光シミュレータを利用した多孔体レシーバ実験装置を立ち上げる。ガウス状熱流束分をビームホモジナイザーによって一様化し、分布を持たない高平均熱流束下での実験を可能とする。これにより、数値シミュレーションの実証を行うとともに、多孔体の材質・セル密度・流量がレシーバ効率へ与える影響を実験的に調査する。
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