Project/Area Number |
22K14234
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 21010:Power engineering-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
永井 栄寿 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 特任講師 (10898159)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | ワイヤレス給電 / 漏洩電磁界 / GaNインバータ / 高速スイッチング |
Outline of Research at the Start |
本研究では電気自動車やドローン向けの磁界共振結合を用いた大電力ワイヤレス給電システムにおいて課題である低次高調波電流による漏洩電磁界の低減技術を提案する。送電側インバータおよび受電側整流器に次世代半導体であるGaNデバイスを利用し,高速スイッチングさせることで,従来のSiCインバータおよび受動素子を用いたフィルタと同等以上の漏洩電磁界低減効果の実現を目指す。従来システムと提案システムの漏洩電磁界低減効果,電力伝送効率,重量・体積を実験により定量的に評価し有効性を示す。また,受電側高周波電圧および電流の同期ずれや共振ずれの漏洩電磁界への影響の検証や送受電電力制御にも取り組む。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は磁界共振結合を用いた大電力ワイヤレス給電(WPT)において次世代半導体として注目されているGaNデバイスを用いたインバータによる能動的な高速スイッチングにより低次高調波電流起因の漏洩電磁界を低減することである。大電力のWPT機器は漏洩電磁界を総務省が定める規制値以内に抑えることが求められている。従来手法のSiCインバータの矩形波電圧出力を用いたWPTには受動素子を用いたフィルタを挿入することにより対策がされてきたが、大電力化に伴い、フィルタが大型化することが課題である。本研究ではGaNインバータを用いた能動的な高速スイッチングにより、フィルタを用いずに漏洩電磁界を低減する手法を提案し、電動モビリティのWPT設備の小型・軽量化を実現する技術を創出する。 2023年度は、受電側の整流器を製作し、送受電両方のGaNインバータを用いた数百W程度の電力伝送実験により、低次高調波の低減に成功した。しかしながら、ハードスイッチングによるスイッチング損失が大きく、設計通りのヒートシンク冷却性能が得られず、目標としている1kW以上の電力伝送ができていない。そこで、低次高調波低減帯域が狭くなるが、キャリア周波数を減らすことにより、対策を実施した。受動素子を使用した従来手法と比較し、低次高調波は低減できているものの、従来手法の方が高調波低減周波数帯域が広い。しかしながら、フィルタのサイズおよび重量は大きく、小型・軽量なGaNインバータの方が有効である。 また、共振ずれおよび電流同期ずれに関して、回路シミュレーションにより低次高調波低減効果を確認した。2024年度の前半に実験検証を実施予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年度はキャリア周波数を変更することなく、1kW以上の電力伝送状態において低次高調波の低減を目指したが、設計通りのヒートシンクの冷却性能が得られず、キャリア周波数を変更した。共振ずれおよび電流同期ずれに関して、シミュレーション検証までできているが、2023年度中に実験検証を目標としていたため、少し進捗が遅れている。また、研究成果の論文投稿ができていないため、2024年度中に研究成果を発信する。以上の理由から、研究進捗はやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は前半に共振ずれおよび電流同期ずれの低次高調波抑制効果への影響を実験検証する。また、後半に低次高調波を抑制しつつ、送電電力および受電電力を制御する。いずれの実験も、1kW以上の送電状態で実験検証を行う。負荷には2023年度に導入した電子負荷を用い、定電圧負荷および定抵抗負荷など負荷条件を変えて実験を行う。設計通りのヒートシンクの冷却性能が得られていない原因追及も並行して実施し、インバータおよび整流器の改善も検討する。回路の改善ができない場合は強制空冷等により、キャリア周波数が高い状態での1kW送電実験達成も目指す。 2023年度の研究成果および2024年度の研究成果は国際会議論文や学術論文誌に論文投稿し、GaNインバータの高速スイッチングによる低次高調波抑制の有効性を発信する。
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