Basic study on recycling method of ITO transparent conductive substrate using pulsed arc discharge
Project/Area Number |
22K14252
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 21010:Power engineering-related
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Research Institution | Kagawa National College of Technology |
Principal Investigator |
山下 智彦 香川高等専門学校, 機械電子工学科, 助教 (20846109)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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Keywords | パルスパワー / インジウム / レアメタル / リサイクル / 分離処理 / アーク放電 / プラズマ / パルスアーク放電 / ITO透明導電性基板 / 金属分離 |
Outline of Research at the Start |
高い透明性・導電性を持つ透明導電性基板は,スマートフォンのディスプレイなどに用いられており,その需要の多さから使用済み製品のリサイクルが課題になっている。透明導電性基板は絶縁物上に導電膜が成膜された複合材料であるため,リサイクルするためには分離処理が必要となる。また,現在最も多用されているITO透明導電性基板にはレアメタルであるインジウムが使用されており,わが国の物質戦略の観点からも費用対効果の高いリサイクル法の開発が望まれている。本研究では,パルスアーク放電を用いたITO透明導電性基板のリサイクル方法の確立を目的として,導電性物質の分離特性,評価方法,効果的な電極配置等について検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,パルスアーク放電を用いたITO透明導電性基板のリサイクル方法の確立を目的としている。ITO透明導電性基板は絶縁物基板上にレアメタルであるインジウムを含む導電性物質が成膜された複合材料であるため,リサイクルするには絶縁物基板と導電性物質の分離が必要である。本研究では,パルスアーク放電を適用することでITO透明導電性基板を絶縁物とインジウムを含む導電性物質に分離する新しいリサイクル方法の確立を目的として,導電性物質の分離特性,評価方法,効果的な電極配置等について検討する。 2022年度は,パルスパワーをITO透明導電性基板に印加した際の電気的特性・分離特性・光学的特性等を取得した。具体的には,大気中および水中でITO透明導電性基板上に電極を設置してパルスパワーを印加し,電圧・電流波形,分離の様子,放電の発光スペクトルなどを得た。電圧・電流波形から,1ショット目と2ショット目以降では負荷であるITO透明導電性基板の状態が異なるため,パルスアーク放電発生時の電流が流れ始めるタイミングが異なることが明らかとなった。また,パルスパワー印加後のITO透明導電性基板に照明を照射しながら撮影することで,分離された領域と導電性物質が残っている領域の判別ができる状態の画像が得られた。このことにより,画像を解析することで処理面積の定量的評価を行うことが可能となった。放電の発光スペクトルからは,導電性物質に含まれるインジウムの発光スペクトルが観測されたため,ITO透明導電性基板のインジウムがプラズマ化し,分離していることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度は,ITO透明導電性基板からの導電性物質(インジウム)の分離を明らかにするため,パルスパワーを印加した際の電気的特性・分離特性・光学的特性等を取得することを目的としていた。計画していたとおり,パルスパワーを印加した際の電圧・電流波形,ITO透明導電性基板の表面の様子,処理面積,発光スペクトルなどを得ることができたため,おおむね順調に進んでいると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は,パルスアーク放電を用いたITO透明導電性基板からの導電性物質の分離処理における電極形状および電極配置ならびにパルスパワー電源の最適化について検討する。電極形状が金属分離処理に与える影響に加え,ミリメータ単位で電極を移動できる実験系を構築し,電極間距離や電極と導電膜との間の空隙の大きさ等が処理に与える影響を詳細に調査する。具体的には,電極形状や電極間距離,電極と導電膜との間の空隙の大きさを変化させながらパルスパワーを印加し,電気的特性・分離特性を比較することで空隙の大きさの影響を評価する。さらに,印加するパルスパワーの充電エネルギーを変化させ,パルス立ち上がり時間やパルス幅などのパルスパラメータを変化させ,それらが処理特性に与える影響について詳細に調査する。加えて,電圧・電流波形の取得と同時に,高速度カメラによって発生する放電を撮影し,放電の進展と電圧・電流波形の対応関係を調べ,放電の継続時間・進展速度等を明らかにする。得られた結果のまとめを行い,パルスパワーを用いたITO透明導電性基板からの導電性物質の分離に関する新技術として提案する予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)