コンクリ-ト構造物を利用した導波路型ワイヤレス給電技術の研究
Project/Area Number |
22K14264
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 21020:Communication and network engineering-related
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
松川 沙弥果 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 主任研究員 (90803924)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | コンクリ-ト / 誘電体導波路 / アレイアンテナ / 電力伝送 / 誘電率測定 / 伝送特性 / 電磁界解析 / 電磁界計測 / 無線電力伝送 / アンテナ |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、電力伝送用の伝送路としてコンクリート構造物を利用し、電磁波のエネルギーをコンクリートの導波路に閉じ込めて伝送することで、二次元平面の任意の位置での給電が可能な無線電力伝送の基礎技術を研究することである。具体的には、コンクリ-トの導波路における電磁波の伝送特性について調べ、導波路と励振用アンテナ、受電用カプラの最適化を行い、コンクリ-ト構造物の無線電力伝送への適用可能性について明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
コンクリート平板の片端に送電用アンテナを配列し、マイクロ波で励振すると平板内部にエネルギーが閉じ込められて伝搬する。マイクロ波を効率よく任意の場所に伝搬させるためには、受電点以外における電力損失を低減することが課題である。今年度はコンクリートスラブ内部に効率よく電磁波を導波させるために送電用として複数のアンテナを配列し(アレイアンテナ)、各素子の給電を調整することによるエネルギーの伝搬方向制御について検討した。これより、狙った場所に電力を伝送し、伝送効率を改善することに成功した。受電用アンテナをスキャンしてマイクロ波の強度分布を測定すると、1つのアンテナで励振した場合は、マイクロ波は平板に沿って広がりながら減衰して伝搬した。一方、7つのアンテナを同振幅、同位相で励振した場合は、平板の中心付近で信号強度が強くなった。このようにアレイアンテナを用いて、給電するマイクロ波の振幅や位相を制御することで、任意の位置に効率的に電力を伝送することができた。 さらに、給電効率を向上させるためには、コンクリートスラブから電力を取り出す用途に適したアンテナ・カプラの最適化を行う必要がある。このようなアンテナ・カプラを設計するには、まず、電力伝送用の導波路として使用する誘電体(コンクリ-トスラブ)の誘電率を把握する必要があり、1アンテナ法を応用した誘電率測定法を開発した。1アンテナ法は、1本のアンテナを金属大地面に向けて電磁波を放射し、金属面で反射した電磁波を同じアンテナで受信することで、2本のアンテナを対向させた場合と等価な電磁波の透過特性を求める手法である。この手法を誘電率測定に応用することでコンクリ-トのような大型で重量のある平板の誘電率を簡易的に測定する方法を提案し、コンクリ-ト平板の誘電率を求めることができた。求めた誘電率を用いて今後、受電用カプラの設計を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は当初の計画どおり、複数のアンテナを用いることで狙った場所に電力を伝送し、伝送効率を改善することに成功した。さらに、受電用カプラの設計のために1アンテナ法を応用した誘電率測定法を開発し、コンクリ-ト平板の誘電率を求めた。これより、おおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、1アンテナ法を応用した誘電率測定法で求めたコンクリ-ト平板の誘電率の測定精度を詳細に評価するとともに、求めた誘電率をもとに電磁界解析ソフトウェアを用いて受電用カプラの設計、解析を行う。先行研究では円盤状の無指向性カプラやwaveguide ring resonatorカプラなどが提案されており、これらの構造を参考にしながらコンクリートの導波路から電力を取り出す用途に適したカプラの最適化を行う。本研究課題の研究成果については、学会などで積極的に外部発表を行う。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)