光バイオセンサメッシュを用いた経皮成分三次元画像化による疾患位置特定システム創製
Project/Area Number |
22K14267
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 21030:Measurement engineering-related
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
飯谷 健太 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教 (00853045)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
|
Keywords | バイオセンサ / ガスセンサ / 電界紡糸 / エタノール / 蛍光計測 / アルコール脱水素酵素 / 経皮生化学計測 / バイオセンシング / 三次元イメージング / エレクトロスピニング |
Outline of Research at the Start |
ヒトが無意識下で定常的に放出する汗や経皮ガスには血中由来化学成分が含まれ、特に疾患部位からは腫瘍間質液を反映する特異な経皮成分が滲出することから体表面上で経皮成分の時空間変化を計測することで疾患位置や範囲の特定が可能となると考えられる。本研究では、経皮成分の濃度分布情報を光情報へと変換する光バイオセンサメッシュを、酵素を含む高分子溶液を体表に直接電界紡糸することで作製し、新規に構築するイメージングシステムと組み合わせて体表面全体を対象に経皮成分の三次元時空間変化を記録する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトが無意識化で定常的に放出する汗や経皮ガス中には血中由来化学成分が含まれ、これを検出することで疾患スクリーニングや代謝評価への応用が可能となると考えられる。本研究課題では、経皮成分の濃度分布情報を光情報へと変換する「光バイオセンサメッシュ」について酵素を含む高分子溶液を体表に直接電界紡糸することで作製し、三次元イメージングシステムと組み合わせて体表面の広い範囲を対象に経皮成分の三次元空間分布の記録を目指す。 2022年度は、酵素を含む高分子溶液を電界紡糸法により繊維化し、その繊維を堆積させる「光バイオセンサメッシュ」の作製およびその特性評価へと取り組んだ。結果として、水溶性高分子ポリビニルアルコールを含む市販糊にアルコール脱水素酵素(ADH)および酸化型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)を混合して電界紡糸した「光バイオセンサメッシュ」において、エタノール負荷に応じて還元型NAD (NADH)がADH触媒反応により生成され、NADHを蛍光検出(励起光340 nm、蛍光490 nm)することが可能であった。また、エタノール負荷部特異的にNADHが生じるため、イメージングにも適用可能であった。高分子溶液のpHや混合するNAD+量、ADH量を変化させることでエタノール負荷に対する応答を調整可能であり、電界紡糸された繊維中のADHが酵素活性を維持した状態であることを示した。本研究成果は、国際雑誌Biosensors and Bioelectronicsに掲載され、東京医科歯科大学および早稲田大学からプレスリリースを行った。本技術は、本研究課題の遂行の基盤となるもので、今後この「光バイオセンサメッシュ」を体表に展開して経皮放出成分の三次元的なイメージングを進めることが可能となったと考える。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度中に高電圧電源、自作シリンジポンプ、そして3Dプリンタを改造ベースとして、所属研究室にて電界紡糸が可能な環境を構築した。また、これらの装置を用いて、酵素および補酵素を含有した「光バイオセンサメッシュ」の作製およびその特性評価を進行できた。研究成果は、国際誌 Biosensors and Bioelectonicsにて発表し、また2023年6月に韓国で開催される国際会議Biosensors 2023における口頭発表に採択されている。開発した「光バイオセンサメッシュ」により、得られる蛍光強度の分布を三次元的に観察するためのステレオカメラ系および三次元スキャナを用いた実験系についても構築を開始している。以上より、本研究課題は概ね順調に進展していると判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、「光バイオセンサメッシュ」について、三次元計測を実施する。最終的にはヒトでの計測応用を実施する予定であるが、その事前実験として三次元物体から放出されるエタノールガスの三次元イメージングを試みる。また、光バイオセンサメッシュの計測対象分子の拡大へ向けて、今回用いたアルコール脱水素酵素以外の検出反応系を組み込んだ「光バイオセンサメッシュ」の作製について検討を進める。
|
Report
(1 results)
Research Products
(19 results)