Project/Area Number |
22K14273
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 21030:Measurement engineering-related
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
下田 智文 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 研究員 (60880763)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
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Keywords | 加速度センサ / 振動計測 / 接触剛性 / レーザー干渉計 |
Outline of Research at the Start |
加速度センサを用いた振動計測は基礎的な計測技術の一つとして高いニーズがある。しかし高周波数帯(数kHzから25 kHz)ではセンサと計測対象の間の接触剛性によりセンサ感度に大きな不確かさがあり、振動計測の確度を下げる大きな要因となっている。本研究では、センサ出力に現れる共振ピーク周波数から接触剛性の寄与を推定し、信号に補正を行うことで振動計測の確度を向上させる手法を提案・研究する。まず共振ピーク同定に必要な高周波数帯(< 100 kHz)までのセンサ感度評価システムを開発することで本手法の原理実証を行う。さらにセンサにランダム振動を加えて実際の計測を模擬し、実用性検証も行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は研究実施計画の「原理検証」の部分を主に実施した。具体的には、加速度センサを異なる材質(ステンレス・チタン・超硬タングステン)の治具に取り付けて感度特性を測定し、高周波(>10kHz)の特性が治具材質に依存することを確認した。また、加速度センサを反転して受感面に直接レーザーを当て、取付先の材質に依存しないセンサ固有の特性を測定する技術も開発した。これらの結果を総合して解析した結果、材質による周波数特性の変化が、考案した力学モデルで説明できることを確認した。これは本研究計画の基礎となる部分であり、提案している加速度センサの感度特性補正手法の実現可能性を示したものである。力学モデルでは先行研究より詳細な要素までが考慮されており、先行研究のモデルでは説明できなかった周波数特性も説明できるようになっている。この新たなモデルの妥当性が確認されたことで、高周波振動計測の力学的な理解を深めることにも貢献している。 また材質による感度の違いが実測によりに確認されたことで、実際の振動計測における不確かさの程度を知ることにもつながる。さらに力学モデルに基づいたフィッティングから、加速度センサと測定対象の接触部の剛性を定量的に推定することもできている。今後詳細な検討は必要であるが、測定対象の物性値とセンサ感度の間の関係を定量的に知ることができれば、センサの取付前に感度をある程度予測でき、簡易的な感度変化補正を行うことができる可能性に繋がる。 これらの得られた結果については論文執筆を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画にあった「原理検証」の部分は概ね達成できており、全体的な計画は順調に進展していると考えている。 一方で、具体的な装置構成・技術開発に関してはいくつか変更が生じた。まず計画では圧電加振器(数100kHzまでの振動を発生可能な装置)を用いる予定だったが、実際に使用テストを行ったところ綺麗な1次元振動を発生できず、測定結果に大きな誤差が生じてしまうことが分かった。そのため別の加振器をスペックの使用可能範囲(50kHz以下)を超えて駆動し使用するよう変更した。また、ヘテロダイン干渉計の信号復調システムに関しては、信号歪みの補正アルゴリズムを開発・導入する予定であったが、別の先行研究で提案された平均化手法を用いた方が簡単かつ十分に問題を回避できることが分かったためこちらを採用した。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的には当初の計画通りに進める。実際の振動計測を模したランダム振動をセンサに加え、高周波のピーク周波数からセンサの感度特性推定を行う。実験装置は2022年度に使用したものを転用できるため、特性推定のためのデータ解析手法の開発が主なターゲットとなると考えている。 当初の計画への追加で、2022年度に行った測定(3種類の材質の治具を用いた感度特性測定)を材質を増やして行い、材質の物性値への依存性をより詳細に調べることも行う予定でいる。
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