Project/Area Number |
22K14274
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 21040:Control and system engineering-related
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Research Institution | Future University-Hakodate |
Principal Investigator |
加藤 譲 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 准教授 (20899281)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 非線形動力学 / 同期現象 / 縮約理論 / 作用素論 / 時系列データ解析 / パターン形成 / 非線形科学 / 量子力学 / 制御工学 / データ解析 |
Outline of Research at the Start |
作用素論的解析は、非線形系の時間発展を関数空間の線形作用素(クープマン作用素)で表現して非線形性を回避する手法であり、非線形系のダイナミクスを特徴づける普遍的な数理構造を抽出できる。本研究では、近年提案された古典非線形系に対する作用素論的解析に基づいた手法を量子非線形系に対する手法として拡張して、量子非線形系の非線形物理現象のダイナミクス解析、量子非線形系のダイナミクスの非線形データ解析、量子非線形系のデータ駆動型の非線形制御の手法を構築する。
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Outline of Annual Research Achievements |
非線形ダイナミクスの推定、予測、制御の新たな方法論として、力学系の作用素論的解析が近年注目を集めている。本研究の目的は、古典非線形ダイナミクスに対する作用素論的解析に基づいた手法を量子非線形ダイナミクスに適用できるように拡張することである。本年度は、以下の成果を得た。 量子振幅関数を用いた量子同期現象の解析:古典系において、非線形振動に対する位相関数と振幅関数は、振動子の特性を集約した位相振幅方程式と関連しており、同期現象の解析に役立つ。この位相振幅関数と作用素論的解析とには関連があることが報告されている。我々はこれまでに、この作用素論的解析との関連性に基づいて量子位相関数の定義を導入し量子同期現象を解析してきたが、量子振幅関数の定義については議論をしてこなかった。本研究では、この作用素論的解析に基づいて、古典系の振幅関数の定義を拡張し、量子非線形振動現象に対する量子振幅関数の定義を導入し、量子非線形振動現象や量子ノイズ励起振動現象を解析した。本成果は現在、学術論文誌に投稿中である。 動的モード分解を用いた量子光学非線形システムの解析:動的モード分解は、流体系や大規模自由度系などの複雑現象を示す古典非線形系に対して、非線形ダイナミクスの時系列データから、線形に時間発展する固有モードを抽出する手法である。本研究では、無限次元のシステムとして数理的に記述される量子光学系に対して動的モード分解を初めて適用した。特に、量子光学系に対しては、既知のモデルの構造の情報を利用した、動的モード分解に基づくパラメータ推定法を提案した。また、提案手法を量子非線形振動子に適用することで、固有振動モードの固有値や系の時系列を再現できることを示した。 その他、動的モード分解を用いたセルオートマンの解析や、動的モード分解を用いた確率非線形振動子の位相振幅関数の抽出など、いくつかの成果を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りに、概ね研究は進んでいる。量子振幅関数を用いた量子同期現象の解析については、物理系の査読有り学術誌に論文を1件投稿中である。また、昨年度行った量子位相関数の定義の導入について、Chaos誌の2022 Edward N. Lorenz Early Career Awardsに選出された。 動的モード分解を用いた量子光学非線形システムの解析に関しては、査読つきプロシーディングのある制御系の国際会議にて1件受理され、国際会議発表も行った。また、量子情報処理系の国内会議において、1件の発表を行った。 また、動的モード分解を用いた確率非線形振動子のデータ解析に関する成果について機械系の国際会議1件と制御系の国内会議2件の口頭発表を行った。 その他、関連研究で、査読付き論文1件、国際会議において3件、国内学会において1件の口頭発表を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは、動的モード分解を用いた量子非線形システムの解析について、制御系の国際会議に投稿した1件の内容と昨年度に投稿した1件の内容について学術論文誌としてまとめ、研究の内容の詳細を明らかにする。また、量子振幅関数を用いた量子同期現象の解析についても、投稿論文の受理を目指し、さらにその研究の内容の詳細を明らかにする。また、量子スピン系における量子同期現象の解析をさらに進め、また、量子活性抑制系におけるチューリング拡散誘導不安定性については、摂動論などを用いたより詳細な解析を行う。
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