Project/Area Number |
22K14319
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 22020:Structure engineering and earthquake engineering-related
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
杉本 悠真 岩手大学, 理工学部, 助教 (50940631)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
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Keywords | 高力ボルト / ねじ / DIC法 / FEM / 引張接合 / 終局挙動 / FEM解析 / デジタル画像相関法 |
Outline of Research at the Start |
曲げと引張を受ける高力ボルト(特に,ねじ部)の終局時までの変形挙動と,複数ボルト間での荷重分担機構を解明するために高力ボルトの載荷実験を実施し,その変位やひずみをデジタル画像相関法により計測する.得られた実験データをFEM解析に反映し,終局挙動を高精度に再現できる高力ボルトのFEモデルを開発する.この研究を完遂することで,従来困難とされていたFEM解析による高力ボルト引張接合の終局性能の検証が可能となる.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は曲げと引張を受ける高力ボルトの終局挙動を高精度に再現できるFEモデルを構築するものである.生産年齢人口の減少より建設工事の省力化が求められており,少ないボルト本数で組み立て可能な高力ボルト引張接合継手(以下,引張接合)はそのブレークスルー技術として注目されている.また,計算機やFEMの高性能化を背景に,この引張接合の性能検証にFEMが使用されることが多い.ここで,引張接合は高力ボルトねじ部の破断で終局となることが多く,ねじ部のモデル化が解析結果に与える影響は大きい.しかし,現在一般的とされている解析モデルの妥当性を実験的に検証ができていない. そこで,本研究では終局時における「曲げと引張を受けるねじ部の変形」や,「複数とボルト間での荷重分担機構」の現実のデータを取得するための実験手法を確立し,得られた実験データから高精度な高力ボルトねじ部のFEAモデルを構築することを目的としている. 2年目(2023年度)は引張と曲げを受ける高力ボルトのねじ部の変位計測と,らせんねじを再現したFEAモデルの作成を行った.ねじ部の変位計測では,DIC法による画像計測とクリップ式変位計を使用し,ボルトに導入される曲げ応力をパラメータとした実験を行った.得られた実験データとFEMとの比較を行い,遊びねじ部が短い場合にFEMのピーク荷重が実験値よりも大きくなる傾向にあることがわかった.この差異の原因究明は今後の課題である.また,ボルトねじ部のモデル化について,一般的に使用されるねじ部有効径の円筒ねじモデルとらせんねじモデルの2種類を比較し,曲げと引張を受ける高力ボルト単体のFEMでは,ピーク軸力とピーク軸力までの剛性は両モデルで一致することを明らかにした.ただし,ピーク軸力以降の挙動にモデル間で違いがあり,今後は有効径モデルでボルトが複数本配置された継手の終局挙動の再現性を確認する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2年目は1年目に実施予定であった「曲げと引張を受けるねじ部の変形」を計測するための実験を実施しデータを取得することができた.しかし,「複数ボルト間での荷重分担機構」については現在実施中である.また,FEMで得られたピーク軸力が実験結果よりも大きくなる傾向が観測され,その原因究明と対策方法の立案に時間を要している.
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Strategy for Future Research Activity |
1年目と2年目で収集した実験データを使用し,実験結果を再現できるFEAモデルの構築を行う.特に,遊びねじ部が短い解析モデルで実験値よりもピーク荷重が大きく観測される傾向にあるため,陽解法も視野に含め,その原因究明に取り掛かる.また,従来の円筒形状のねじ部モデルでボルトが複数本配置された継手の終局挙動を再現できるか検証を行う.最終成果物として,再現する力学挙動のレベル(解析目的)に応じた推奨ボルトねじ部モデルの一覧を作成する.ソリッド要素によるモデルのみではなく,全体構造解析での計算時間削減を目的に,梁要素を用いたより簡易なボルトモデルの妥当性評価にも取り組むことを考えている.
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