下水由来微量汚染物質と処理水マトリクスの複合作用の解明
Project/Area Number |
22K14350
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 22060:Environmental systems for civil engineering-related
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
原 宏江 金沢大学, 地球社会基盤学系, 助教 (70823524)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | 合成ホルモン / 水晶振動子マイクロバランス / トキシコゲノミクス / 下水由来溶存有機物 / 未規制化学物質 / 複合毒性 |
Outline of Research at the Start |
下水処理水は,処理過程で生じる副生成物・代謝物,微生物由来の溶解性有機物,水道水由来の自然有機物等が織り成す複雑な処理水マトリクスである.本研究では,下水処理水マトリクスと未規制化学物質の複合作用を明らかにするため,水晶振動子マイクロバランスを用いて下水処理水マトリクスと化学物質の吸着特性を調べるとともに,ヒト細胞の網羅的遺伝子発現解析により処理水マトリクスと化学物質の複合影響を明らかにする.
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,合成ホルモン物質について,①QCMを用いた処理水マトリクス-微量汚染物質間の吸着特性の分析と,②ヒト細胞(HepG2)を用いた遺伝子発現解析により,処理水マトリクス-微量汚染物質の相互作用の検討を行った.下水処理施設において処理水を採取し,イオン交換樹脂を用いて疎水性有機物を酸性,塩基性,中性の3つに分画した.これら3画分と17α-エチニルエストラジオール(EE2),17β-エストラジオール(E2),エストロン(E1)をそれぞれ混合し,細胞生存率及び毒性マーカー遺伝子の発現量を測定した.一方で,EE2及びE2については,水晶振動子マイクロバランス(QCM)を用いて各画分への吸着量を測定した.細胞毒性試験の結果から,いずれの化学物質と画分の組み合わせにおいても,細胞生存率における複合作用は相加的であることがわかった.一方,マーカー遺伝子の発現変動によれば,混合の有無を問わず,EE2は細胞増殖に関わる遺伝子群に,E2は生体外異物に応答する遺伝子群に,それぞれ影響を与えることがわかった.混合試料において,マーカー遺伝子の発現変動の規模とEE2及びE2の3画分への吸着量の間には強い負の相関があったことから,下水由来の疎水性有機物がE2及びEE2の生体影響を緩和する能力を有する可能性が示唆された.また,包括的な水質の変化を簡便・定量的に比較する必要が生じたため,日本各地より収集した様々な飲用水の網羅的な蛍光分析データに対し機械学習に基づく異常検知手法を適用し,蛍光特性に基づき飲用水水質をモデル化するとともに,飲用水と高度下水処理水の総合的な水質の類似性を定量的に比較する手法を開発した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
一部の比較的親水性の高い対象物質についてQCMセンサーへの固定がまだ完了できていないため.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,残りの対象物質(解熱鎮痛薬,抗菌薬,向精神薬,産業化学物質)について,合成ホルモン物質と同様に,①QCMを用いいた処理水マトリクス-微量汚染物質間の吸着特性の分析と,②ヒト細胞(HepG2)を用いた遺伝子発現解析により,処理水マトリクス-微量汚染物質の相互作用の検討を行い,処理水マトリクスー微量汚染物質の相互作用を物理化学的な挙動と細胞影響の双方の点においてより体系的に明らかにする.また,機械学習を用いた包括的な水質の比較手法の開発においては,高分解能質量分析データを用いた検討を行う.
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)