Project/Area Number |
22K14382
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 23030:Architectural planning and city planning-related
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小南 弘季 東京大学, 生産技術研究所, 助教 (90881582)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2026: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
|
Keywords | まち / 低密度 / 空地 / 外構 / 庭 / 風景 / 居住 / デザイン / 人口減少社会 / コンパクトシティ・プラス・ネットワーク / 非都市における都市的地域 / 人口密度 / 地方社会 / 非都市域における都市的地域 |
Outline of Research at the Start |
人口減少下にあるわが国の地方社会を対象に、非都市域における都市的地域〔1,000人/km2かつ、2,000人/km2以上の人口メッシュと連続性をもたないメッシュに含まれる都市的地域〕が有する空間の歴史的ありようと現在的価値を考察し、地方社会におけるネットワークの拠点となりうる空間を抽出するとともに、上記を核とするネットワーク構造を再構築することで、コンパクトシティ・プラス・ネットワークモデルを継承的に発展させる。
|
Outline of Annual Research Achievements |
目標とする50のまちのうち37のまちでの調査を行った。それらを通じて、今後研究を進めて行くべき方針と論点をいくつか発見することができた。 低密度なまちの多くは普遍的かつ個性的な形態と歴史を有する空地を有している。また、これらのまちは自然環境に隣接しているため、しばしば空地や街路には植物や動物、あるいは砂や雪、風が入り込む。それらに対する境界装置のありよう、つまりは余白の空間に対する建築的ふるまいにも、まちの個性があらわれる。まちの余白を通してみる境界の立ち現れ方が、周囲の地形を背景にさまざまな風景として表出する。それらの風景は、以下の大きく3つの性質をもって、その潜在的な価値を読み取ることができそうである。 1つ目は「身体性」である。これは低密度なまちの風景が誰もが想像できる1枚の絵葉書のようなはっきりとしたイメージではなく、観察者の動作や五感、つまりは身体感覚に依存して認識されるものであることを示している。それらの風景は刹那的であり、断片的である。例えば、坂道を下りながら望む遠方の風景や振り向くと同時に目の前に広がる風景、強風に吹かれながら目を細めて見る風景などがそれである。 次に「寓喩性」であるが、これは、これらのまちがその余白の大きさゆえにあらゆる物を並置/放置することができること、そしてその結果、それらの風景がさまざまな時代や集団、事件に関する記憶を同時多発的に喚び起こさせることを示す。 最後に3つ目の「参与可能性」は、住民であれば誰しもがまちの風景の形成と維持に関わることができることを示している。一次産業による継続的な環境改造から、庭づくりのような小さいが連鎖を生みだす活動、あるいは上述のような物の放置まで、環境へのあらゆる参与が可能であり、自立共生の基盤となる。 これらは余白と境界に拠る性質であり、都市においては難しく、低密度なまちにおいて可能な性質であるといえるだろう。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
フィールドの調査は順調に進んでいるが、その一方でアウトプットが追いついていない。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究の重要性をアピールする有効な方法を考えつつ、調査結果をまとめていくことを進めていく。現在までの個別具体的な調査結果を全体的に捉えるための統計的なデータ整理が必要であり、今年度の重要な作業として位置づけられる。
|