遊休空間活用型都市農園による社会的効果への体系的理解と評価指標構築の国際比較研究
Project/Area Number |
22K14390
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 23030:Architectural planning and city planning-related
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
蕭 耕偉郎 九州大学, 人間環境学研究院, 准教授 (30796173)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 都市農園 / 緑地 / 台北市 / 大阪市 / 遊休空間 / 社会的効果 |
Outline of Research at the Start |
本研究では遊休空間活用型都市農園による社会的効果を体系的に理解し、その評価指標を構築するとともに指標の効果を検証することを目的とする。本研究は多様な遊休空間を活用した「遊休空間活用型都市農園」(以下、都市農園)に着目し、1)都市農園の社会的効果への体系的理解:国内外の事例を幅広く収集・整理し、都市農園とその社会的効果の類型化を行う。2)都市農園による社会的効果の評価指標構築:「運営」と「利用」の2側面から評価指標を構築する。3)大阪市・台北市を対象とした実証的に分析・評価・国際比較:人口規模、都市構造が類似する2都市の都市農園の複数事例それぞれの社会的効果を実証的に分析・評価する。
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Outline of Annual Research Achievements |
当初の研究目的を踏まえて、今年度では主に文献調査などを踏まえて、大阪市や台北市などのアジアの成熟都市においては、都市農園を積極的に都市計画の中で位置づけることの意義について整理した。アジア大都市においては、多種多様な遊休地を平面的・垂直的に活用して、都市におけるグリーンインフラとして緑ある豊かな空間を実現することが可能である。このような空間は、ある程度中長期的な人口動態や、今後の土地利用を見据えて展開するものであるため、都市農園として単なる生産機能のみならず、グリーンインフラとしての防災機能、景観機能など多面的な機能を果たすことが期待される。 なお、現段階の整理では、都心に様々な空き地と公共空間を活用した都市農園から構築されるグリーンインフラによって地域における空間的・社会的にネットワーク化が期待できる。それは垂直的・平面的に構築されたグリーンインフラによる既存の緑や水のネットワークとの連携が空間的なネットワーク化を実現することが具体的な方策となることを明らかにした。また、都市農園の中で住民同士の交流が活発化し、地域内の生産・消費活動などが密に醸成されながら、地域外とも交流や消費活動を拡大することにより、社会的ネットワーク化も実現することの可能性もあるため、今後はその実証的な分析について進めていく必要がある。 今年度の事例調査では、大阪府大東市における都市公園が隣接する約1haの市有地に立地する144戸の市営住宅の建替えを中心に、同じ敷地内の都市公園のリニューアルを含め、緑地や広場の一体的整備を行う「morineki」について調査を展開して、建て替え事業後の緑地や広場空間の整備に伴う回遊性についても把握を試みた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度は、台湾台北市と台南市に赴いて現地調査を展開してきた。その際、台江国立公園や台北市内などにおける都市農園や緑地の分布や利用現状について把握してきた。特に、台北の事例調査では、台北市の辺境に位置する田園地帯として、坪林区に着目して、台北都市圏に高品質の水源供給を行うためのダム建設とともに、地域産業や開発行為が大きく制約されている地域の農園について、台湾大学の張教授の協力のもとで調査を展開している。坪林は豊かな生物多様性と質の高い自然環境を維持しつつ、茶産業の重要な生産拠点として、地域活性化の可能性を十分に有している現状を把握した。 日本においては、大阪市、福岡市を中心に都市農園や緑地の現状調査を展開してきた。今年度の調査は主に文献を踏まえた問題意識と研究枠組みの整理と、基礎データの収集と分析に位置付けられる。そのため、今年度では主に大阪市や福岡市を中心に、複数の地域における既存土地利用と緑地などとの関係性について把握を試みた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度には、今年度の成果を踏まえて、更に現地調査を重ねつつ、データ収集と分析も同時並行に推進する予定である。 特に、新型コロナに伴う海外渡航制限が緩和される中、台湾・台北市への現地調査をより積極的に進めつつ、現地の研究協力者とも意見交換をしながら進めていく予定である。 具体的には、今後は以上に述べた今年度の事例調査で把握した「morineki」を中心にその他大阪市、台北市または福岡市などの関連する都市農園や緑地などの事例においての利用者の回遊性、賑わい形成、QOLの向上などの様々な側面における社会的効果の測定や評価を試みる。 特に、次年度では、これまでの段階的な研究成果を研究論文して整理し、国際誌やその他学会誌に論文発表する予定である。また、論文発表については、これまで台北市を中心に海外調査で連携を取ってきた台湾などの外国の研究者や国内の関連する研究者との更なる協働のもとで進めていく予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)