Project/Area Number |
22K14414
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 23040:Architectural history and design-related
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
林 要次 芝浦工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 研究員 (10894040)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 建築教育 / 近代日本 / 建築基礎教育 / 建築図画 / エコール・デ・ボザール / 横浜高等工業学校 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、失われつつある近代の建築教育資料を対象に、これまでの歴史的な営みを整理し、教育資料の次世代への継承と新たな建築基礎教育手法の基盤構築を目指す研究である。 本研究では、近代日本の建築教育機関のひとつ、横浜高等工業学校で行われた「建築図画」と呼ばれた建築基礎教育に着目し、「建築図画」の写真資料のデジタル化による研究資源化を試みる。「建築図画」は近代に世界的な広がりをみせたフランス・パリのエコール・デ・ボザールの建築教育に由来するものと考えられており、同校で行われた建築構成要素を分析する特徴的な課題との関係を詳らかにし、過去の要素分析手法の学びから将来の建築基礎教育への応用可能性を提言する。
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Outline of Annual Research Achievements |
初年度である令和4年度の研究は、近代の建築教育資料の研究資源化に向け、失われつつある近代の建築教育資料である横浜高等工業学校で行われた「建築図画」写真資料の正確な枚数と保存状態を把握し、デジタル化の対象とした全ガラス乾板資料のサイズ別の数量および保存状態の把握から開始した。この調査結果からキャビネ版、八つ切版、四つ切版の3種のガラス乾板の存在を明らかにし、サイズ別にデジタル化を進行した。 デジタル化の作業にあたっては、読み取り解像度の設定を綿密に検討し、最終的なスキャン設定を統一した。キャビネ版のスキャンから開始し、作業工程の明確化と保存形式を一定にすることで、データベースの基盤的な情報の統一を図った。 データベース作成にあたっては、デジタル化された写真資料を基に研究資料体を構築するため、描かれた対象や構図、描いた学生の氏名と年代など明確に設定した整理基準に基づき整理し、表データを作成し、画像から読み取れる内容項目をインプットする作業を行った。 「建築図画」の写真資料のデジタル化データを活用し、フランス・パリのエコール・デ・ボザールで行われた建築構成要素を分析する特徴的な課題との関係の解明を目指すとともに、データ化することで、時代ごと、地域ごとなどの分割が可能となり、描かれた対象の作画年代別の傾向などの把握も可能とした。過去の要素分析手法の学びから将来の建築基礎教育への応用可能性の提言に向けた基礎資料の構築を図った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和4年度に行った「建築図画」写真資料のデジタル化作業は、乾板の保存状態による乱れもあったが、概ね順調に進行した。キャビネ版および八つ切版の全てのデジタル化は完了したが、四つ切版は大きさの関係から再度調整が必要なものが残ったため、今年度引き続きスキャン作業を行う。 研究資料体の構築に向けたデータベース化作業は順調に進行しており、描かれた対象や構図、描いた学生の氏名と年代など明確に設定した整理基準に基づき表データで整理し、画像から読み取れる内容項目の入力作業に加え、画像データの要素ごとに分解したデータの作成も行うことで検索可能な形で進行している。 昨年度中に行う予定であった関係者インタビュー等の一部がコロナ禍の影響で未実施であった。本年度再開する予定である。 日本建築学会関東支部研究発表会で研究の一部を発表し、優秀研究報告に選定された。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度は、画像データベースをより充実させるための構築法を模索しながら継続する。 残りの四つ切版のスキャン作業を早急に完了させ、全データのデータベースの構築を図る。 デジタル化された資料の多くが日本建築であることから、その日本建築の重要性を含む検討を行う予定である。 また、「建築図画」における西洋建築を描いた一部の図面がエコール・デ・ボザール所蔵作品と深い関係にあるため、図面資料との具体的な比較を行い、「建築図画」を指導した横浜高等工業学校教授の中村順平によるエコール・デ・ボザールの建築基礎教育の日本化の取り組みを明らかにし、データベースに情報を組み込む。 令和4年度に作成したデータの要素分類項目の充実を図り、分解した構図情報のダイアグラムを加え、データベースを構築する。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)