Project/Area Number |
22K14423
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 24010:Aerospace engineering-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
安達 眞聡 京都大学, 工学研究科, 助教 (90908386)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
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Keywords | 月土壌粒子 / 選鉱 / 分級 / 静電気応用 / 磁気応用 / 月面探査 / 月レゴリス |
Outline of Research at the Start |
長期月面探査の実現には,物資の搬送リスク・コストの観点から,現地資源である月土壌粒子の活用が不可欠であり,その成否の鍵を握るのが不均一な月土壌粒子を粒径毎に分ける分級と成分毎に分ける選鉱である.本研究では,機械的駆動部や液体・気体が不要であり,宇宙環境との相性が良い静電気力を利用した分級・選鉱技術に着目し,その帯電制御技術との組み合わせによる粒子帯電特性と分級・選鉱性能の関連性についての調査を行う.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,長期月面滞在を実現するための重要なプロセスである月土壌粒子の資源活用を行うために,不均一な月土壌粒子を選別する分級と選鉱に着目し,宇宙環境条件に適した技術を開発すると共にそれら分級・選鉱中における粒子の動特性を明らかにすることである.本研究では,昨年度までに実施した静電気力を利用した技術の開発に加えて,磁気力を利用した選鉱技術の開発にも着手した.静電気力や永久磁石を利用した分級・選鉱技術は,液体・気体が不要であり,また機械的駆動部が少ないことから制御が簡単で小型化が可能である等と宇宙環境との相性が良い.昨年度までに実施した静電気力を利用した技術ではこれまでに摩擦帯電を利用しており,1粒子内に複数の鉱物を含む月の模擬砂に適用した結果,各粒子の主要な成分による明確な帯電量の差とそれら粒子の選鉱性能を確認できなかった.そこで,本年度は異なる帯電手法の導入に取り組んだ.具体的には紫外線照射やプラズマを利用した月模擬砂の帯電と,帯電状態を変化させた状態での静電場中における粒子挙動の違いを確認した.これらの手法により,大気や真空中でも月模擬砂の帯電量を制御できることが確認できた.また,磁気力を利用した選鉱技術について,特徴的な磁極配置を持つマグネットロールとその周囲を回転する非磁性スリーブを用いた装置を開発した.磁気力や遠心力などの力のバランスを利用して粒子を分けるものであり,月模擬砂を利用した試験を行った結果,粒子の透磁率の違いを利用した選鉱が可能であることを確認した.また,その粒子運動は粒子に働く外力バランスの計算結果とよく一致することが確認できた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度までは当初の研究計画に基づいて摩擦帯電と静電気力を利用した選鉱機構を開発し,静電場中における粒子動特性の解析などを実施した.しかし,月模擬砂を使用した試験では,1粒子内に複数の鉱物を含むために摩擦帯電が想定通りには発生せず,明確な選鉱性能を確認することが出来なかった.その対応として,1粒子内に含まれる特定の鉱物の比率が大きくなる小粒径粒子を活用する方法と,摩擦帯電ではない帯電手法により粒子を極力均一に帯電させて比重の違いから分離する方法の2つを考えた.本年度は摩擦帯電ではない帯電手法を新たに導入してそれら基礎帯電特性を調査したが,新しい手法を導入したことによる準備に伴う遅れが生じた.また,小粒径粒子を利用する場合も新しい帯電手法を用いる場合も,大気中と真空中では粒子帯電特性とその運動に大きな差が生じる.よって真空試験装置の導入が不可欠だが,その納期遅れなどもあって研究進捗に影響が生じた.一方,新たに導入した磁気力を利用した技術については,その選鉱性能に関する基礎特性と粒子動特性の調査について想定以上の進捗が得られた.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度までの進捗状況を受けて,次年度は真空環境中において静電気力を利用した月模擬砂の選鉱試験を実施する予定である.摩擦帯電ではなく,紫外線照射やプラズマを利用した帯電制御手法を導入し,それらが粒子の帯電特性と運動特性に及ぼす影響を調査する.本年度までに真空試験装置の大部分の準備が完了したため,それを使用した試験を行う.また,磁気力を利用した技術についても真空環境中での試験を行う予定である.
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