Project/Area Number |
22K14461
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 25030:Disaster prevention engineering-related
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Research Institution | Waseda University (2023) Hyogo Earthquake Memorial 21st Century Research Institute (2022) |
Principal Investigator |
寅屋敷 哲也 早稲田大学, データ科学センター, 講師(任期付) (50758125)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 企業 / エリア防災 / エリアマネジメント / 帰宅困難者対策 / インパクト評価 / インパクト投資 / インパクト指標 / コレクティブインパクト |
Outline of Research at the Start |
企業がエリア防災活動へ継続的かつ主体的に参画するためには、社会貢献としての位置付けだけではなく、企業の経済合理的価値も必要である。本研究では、継続的にエリア防災の実効性を高めている取組を実践している先進的なエリアでは、参画企業にどのような価値が生み出されるかを明らかにし、多様な組織と協働したエリア防災活動の運営に活用できるような社会と企業の両面を含めたインパクト評価指標の開発を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、継続的にエリア防災の実効性を高めている取組を実践しているエリアでは、参画企業にどのような価値が生み出されているかを明らかにし、多様な組織と協働したエリア防災活動の運営に活用できるような社会と企業の両面を含めたインパクト評価指標の開発を目的としている。2023年度の研究実績は以下の通りである。 (1)インパクト投資の方法論による評価手法の検討 最終的にエリア防災における社会と企業のインパクト評価指標を開発するために、地域での帰宅困難者対策を例として、インパクト投資の評価手法を用いた検討を行った。具体的には、「インパクト投資におけるインパクト測定・マネジメント(IMM)ガイドライン」に基づき、企業が実施する帰宅困難者対策による「アウトカムの特定」、「多面的なインパクト分析」、「インパクト指標の設定」を行なった。この成果として、仮定したインパクトロジックモデルの妥当性の検証とインパクト指標の算出方法の開発の方針を定めることができた。 (2)インパクトロジックモデルの妥当性検証のためのアンケート調査の実施 災害時に帰宅困難者に一時滞在施設として場所を提供する企業を対象としたアンケート調査を実施した。調査結果を基にしたインパクトロジックモデルの妥当性の検証は途中段階であるが、実態の分析として、地域や施設の種類による対策の実施状況の違いを明らかにすることができた。東京の一時滞在施設は統計的有意に運営体制が進んでいる。また、複合施設と商業施設は運営体制と環境整備が進んでおり、環境整備に関してはオフィスビルも進んでいることが得られた。さらに、複合施設と商業施設は特にインセンティブによる実効性の向上が期待できることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年度の研究計画では、一時滞在施設へのアンケート調査と分析を実施する予定であった。アンケート調査を実施する前に、災害時に帰宅困難者を受け入れる一時滞在施設の企業を対象とすることを定め、当該帰宅困難者対策によるインパクトを、企業と社会の両者の側面から評価するためのロジックモデルの検討を行ったが、これらに時間を要した。そのため、アンケート調査は2023年12月から2024年1月に実施することになったため、分析がまだ完全に終わっていない状況である。実施したアンケート調査により、このロジックモデルの妥当性が検証できたら、企業内部におけるソーシャルキャピタルの向上の価値を明らかにすることができる。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、2023年度中に終わらせる予定であったアンケート調査の分析を完了し、次いでインパクト評価手法の開発を急ぐ。具体的な推進方策は以下の通りである。 第一に、2023年度に実施した一時滞在施設を対象としたアンケート調査の結果を基に、ロジックモデルの仮説として設定した企業組織のソーシャルキャピタルの向上への影響を可視化する分析を行う。具体的には、マルコフ連鎖モンテカルロ(MCMC)法を用いて、一時滞在施設の対策の実施レベルが高い企業ほどソーシャルキャピタルの向上を実感していることを実証する。 第二に、上記分析結果を踏まえて、帰宅困難者対策の実効性を向上することによる企業内部への影響としてソーシャルキャピタルに関する評価手法を提案する。具体的には、分析結果における対策レベルや施設の種類等の属性による違いも踏まえて、数量化した評価基準を示す。これを最終目標であるインパクト評価における企業の面からの評価手法における指標に用いる。 第三に、インパクト評価における社会の面からの評価手法を開発するために、災害時の帰宅困難者が一時滞在施設で滞在できることの金銭的価値を数値的に評価するためにアンケート調査を実施する。具体的には、一般人を対象にオンラインアンケートを実施し、仮に自分が災害で帰宅困難者になった状況を想定し、一時滞在施設に滞在できるのであればどの程度の金額を支払う意思があるかを質問し、この支払い意思額を分析して金銭的価値に換算することを目指す。これをインパクト評価における社会の面からの評価手法における重要な指標とする。
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