Control of electronic structure of μ-oxo based on polyoxometalates and its application to selective oxidation reactions
Project/Area Number |
22K14539
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 27030:Catalyst and resource chemical process-related
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
矢部 智宏 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (40803234)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
|
Keywords | メタン / ポリオキソメタレート / 選択酸化 / ホルムアルデヒド / セシウム塩 / ナノクラスター / ミューオキソ / メタノール |
Outline of Research at the Start |
欠損型ポリオキソメタレート(POM)を鋳型として複数のミューオキソ構造を有する金属多核活性点を精密に設計し、架橋酸素の反応性を制御することで、難反応性低分子の選択酸化反応を提案する。1原子単位で構造を制御して狙ったPOMを合成し、オンデマンド・高選択的に酸素から活性酸素種を作る。まず架橋酸素の反応性を制御したミューオキソ構造を有する金属置換POMを精密に設計し、酸化物に担持することで高効率な固体触媒を創出する。従来型のバルク酸化物触媒や金属担持触媒とは一線を画した、ミューオキソ構造を有する金属置換POM触媒による選択酸化反応を確立させ、ビルドアップ型触媒設計における新たな学理を体系化する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、欠損型ポリオキソメタレートを鋳型として複数のミュー-オキソ構造を有する金属多核活性点を精密に設計し、架橋酸素の反応性を制御することで、メタンなどの難反応性低分子の分子状酸素による選択酸化反応を行う。本年度はアルカンの中でも最も反応性に乏しいメタンの酸素による選択酸化をターゲットにした。特にホルムアルデヒドやメタノールなどの含酸素化合物はメタンと比較して反応性が高いため、逐次反応の抑制が重要であり精密な活性点構造の構築が必要不可欠である。1原子単位で構造を制御して狙ったミュー-オキソ構造を有する金属多核活性点(Fe3+, Cu2+, Co3+, V5+など)を設計したポリオキソメタレート触媒を用いて、オンデマンド・高選択的に分子状酸素から活性酸素種やミュー-オキソラジカルを作り、メタンの選択酸化を行った。まず架橋酸素の反応性を制御したミュー-オキソ構造を有する金属置換ポリオキソメタレート触媒を精密に設計し、酸化物担体に高分散に担持し高効率な固体触媒としての機能を創出する。種々の3d金属導入POMのテトラブチルアンモニウム(TBA)塩をSiO2に担持した触媒を検討したところ、鉄を導入したPOMがもっともホルムアルデヒド収率が高いことを見出した。さらに鉄の導入核数を変化させたところ、4核以上の鉄を導入すると酸化鉄のナノ粒子を形成しCO2に逐次酸化することが分かったため、かなり高分散なFe-ミュー-オキソ構造が必要であることを見出した。また初期活性では低担持量のFe錯体担持触媒と同等の活性を示すが経時的に劣化することから、WOx骨格は高温メタン酸化雰囲気においても多核金属活性点の構造維持の点で重要であることを見出した。本研究に関して国際論文誌に1報受理され、学会で4件の発表を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
種々の3d金属導入POMのテトラブチルアンモニウム(TBA)塩をSiO2に担持した触媒を検討したところ、鉄を導入したPOMがもっともホルムアルデヒド収率が高いことを見出した。さらに鉄の導入核数を変化させたところ、4核以上の鉄を導入すると酸化鉄のナノ粒子を形成しCO2に逐次酸化することが分かったため、かなり高分散なFe-ミュー-オキソ構造が必要であることを見出した。また初期活性は低担持量のFe錯体担持触媒と同等の活性を示すことから、WOx骨格は高温メタン酸化雰囲気においても多核金属活性点の構造維持の点で重要であることを見出した。さらに種々の金属カチオンを検討した結果、セシウムをカチオンとしてTBA-POM担持触媒をカチオン交換したところ(Cs-POM担持触媒)、メタン酸化高温条件でもPOM構造を維持することを見出した。以上により,Fe-ミュー-オキソ構造を高分散に構築することによりメタンからホルムアルデヒドを選択的合成することに成功し,当初の目的である反応性や活性点分布が高度に制御されたミュー-オキソ構造を有する金属導入ポリオキソメタレート担持触媒による選択酸化反応の開発に成功したので,進捗状況はおおむね順調に進展しているといえる.
|
Strategy for Future Research Activity |
さらなるメタン選択酸化活性の向上を目指して種々の金属カチオンを検討した結果、セシウムをカチオンとしてTBA-POM担持触媒をカチオン交換したところ(Cs-POM担持触媒)、メタン酸化高温条件でもPOM構造を維持することを見出した。次年度は、本手法をリング型POMなどのさらに多核の酸化物活性点構造を構築可能な分子鋳型を利用し、ミュー-オキソ構造をさらに集積化させメタン酸化活性の向上を目指す。また初年度は3d金属元素に注目して金属導入POMのスクリーニングを行ったが、メタンの難反応性のために600℃という高温が必要でことが分かった。そのような条件では、最も反応性(酸化力)に乏しいSiO2担体であってもCO, CO2に逐次酸化されることが明らかとなった。そこで本年度は3d金属と比較してメタン活性化能が高い貴金属元素にも適用範囲を広げ、金属導入POM触媒をSiO2などのイナートな担体に担持してメタン酸化の大幅な低温化を目指す。金属導入POM触媒の選定後は、X線や分光学的手法による触媒のキャラクタリゼーション、DFT計算を通じてこれら物性の変化を詳細に明らかにし、触媒設計指針の構築・高性能触媒の設計に繋げる。
|
Report
(1 results)
Research Products
(5 results)