Electrocatalytic reduction of NOx to NH3 using H2O as a proton source
Project/Area Number |
22K14541
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 27030:Catalyst and resource chemical process-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
井口 翔之 京都大学, 工学研究科, 特定講師 (20803878)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
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Keywords | アンモニア / 窒素酸化物 / 電解還元 / SPE電解 |
Outline of Research at the Start |
本研究は,窒素酸化物をアンモニアへ還元する電解反応系の構築を目的としている.そのために,固体高分子電解質型(SPE型)電解による窒素酸化物の還元反応に活性な高性能電極触媒の開発を行う.窒素酸化物からアンモニアへの高効率SPE型電解が達成されると,窒素分子を経由しないアンモニアの利活用が可能となり,エネルギー効率の向上とカーボンニュートラルの実現に大きく貢献する.また,電解還元反応の選択性制御という観点で学術的にも非常に意義深い.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,窒素分子を経由しない窒素循環(アンモニアの利活用)を実現するために,窒素酸化物を直接アンモニアへ還元する電解反応系の構築を目的としている.室温で駆動する電解反応により窒素酸化物を活性化し,選択的にアンモニアに還元するためには,競争する反応を抑制できる適切な電解系およびカソード触媒の開発が必要である. 本年度は,水酸化カリウム水溶液を電解液として用いるアルカリ系電解セルにより,一酸化窒素からアンモニアへの電解還元を検討した.カソード触媒としてもちいる金属種を検討したところ,白金だけでなくいくつかの遷移金属が高い性能を示すことを見出した.濃度10%の一酸化窒素をカソードに供給して定電位電解を行うと,80mA/cm2程度の電流密度において,70%のファラデー効率でアンモニアが生成した.アンモニアの大部分は,カソード室の電解液中にアンモニウムイオンとして存在していた.続いて,様々なブランク試験を行ったところ,(1)電位を印加しない場合,(2)一酸化窒素を供給しない場合,(3)金属種を含まない炭素担体のみをカソードとして用いる場合,にはアンモニアがほとんど生成しなかった.したがって,カソード室に供給した一酸化窒素が電解反応によりアンモニアに還元されていることが明らかである.また,カソード電位を-0.2 V (Ag/AgCl, pH=14)とした場合には,電解反応が全く進行しなかったが,-0.6 V (Ag/AgCl, pH=14)では微量ではあるがアンモニアが生成した.アンモニア生成の標準酸化還元電位と照らし合わせると,アンモニア生成の過電圧は少なくとも0.3 V以下であることが分かった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
水酸化カリウム水溶液を電解質として用いるアルカリ系電解セルにより,一酸化窒素からアンモニアへの電解還元が進行することを見出した.電解液中もしくは気相中に生成したアンモニアをイオンクロマトグラフィーにより定量的に分析する仕組みを確立した.また,気相中の他の生成物(主に,窒素と水素)をオンラインのガスクロマトグラフで定量分析し,一酸化窒素の電解還元では,アンモニア,窒素,水素が生成すること突き止めた.また,アンモニアの生成量は電解時間の経過にともない増加したことから,70%程度のファラデー効率でアンモニア生成が定常的に進行していると考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は,濃度10%の一酸化窒素ガスを基質としてカソードの供給した.しかし実際には,さらに低濃度の一酸化窒素をアンモニアに変換可能な反応系が必要である.そこで今後は,濃度1%の一酸化窒素ガスを基質として検討を行う.予備検討により,一酸化窒素の濃度を1%にすると,アンモニア生成のファラデー効率が大きく低下し,H2生成が優先的に進行することが分かっている.この問題を解決するためには,カソード触媒の改良が必要である.一酸化窒素をアンモニアに効率よく直接還元するカソードに必要な要素として,(i)一酸化窒素が解離吸着する金属A,(ii) 吸着水素種生成を促進する金属B,(iii)分散媒としての金属C,が必要になる.金属Aは,本年度の研究で見出した遷移金属を使用できると考えている.金属A,B,Cからなる三元系の触媒を設計する.一酸化窒素の解離吸着により生成した吸着窒素種どうしの会合(窒素生成)の進行を防ぐため,金属Aは単原子状態に分散している必要がある.種々のキャラクタリゼーションにより三元系触媒のバルク性質と表面性質を分析し,これらの結果を触媒設計に反映させることで,アンモニア生成と競争して進行する水素生成と窒素生成の選択性を抑制し,アンモニア生成効率の高度化を達成する.
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)