Project/Area Number |
22K14580
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 28050:Nano/micro-systems-related
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
五十嵐 アン 東北大学, 工学研究科, 助教 (10865405)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | ナノグレーティング構造 / 光共振器 / フォトニックデバイス / 共振器 / 回折格子 / 共振モード / 光センサ |
Outline of Research at the Start |
近年、光通信分野および医療分野向け光集積デバイスの要求が高まり、伝搬光を強く閉じ込める研究が重要となっている。回折格子構造型リング共振器は中心対称性を持つ動径方向に光が閉じこめられるディスク型光モードが形成され、高性能光デバイスへの応用が期待できる。本研究では, 回折格子構造共振器による光モードの形成メカニズムを開拓する。さらに、医療分野向けの高感度化光共振器バイオセンサの開発を目的にする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、回折格子構造を有する光リング共振器の新たな光伝搬モードを解明し、光デバイスとしての応用を検証することを目的とする。1年度目、リング内に伝搬した光がナノ構造により動径方向に光が閉じこめられる光モードを生成することを明らかにした。また、数値計算によりナノ構造およびリング形状によるモード形成機構および物理特性緒を明らかにし、光損失を抑制できる高いQ値を有する共振器を提案した。しかし、実装デバイスとしては、外部光源から共振器にカップリングする従来のバス導波路構造では、動径モードの形成が困難であり、Q値が減少することが分かった。 本年度は、実装デバイス用の共振器のキャビティに光を伝搬するためのバス導波路構造を最適化し、実装構造の試作を実施した。シミュレーションにより同心円状共振モードを維持しながら、Q値の低減を抑制する部分的な回折格子構造を有するバス導波路を提案できた。バス導波路のナノ構造の周期数および導波路との距離が最もQ値との相関性を示した。また、同心円状共振モードの共振波長が1.55 um付近になるように共振器の周期長およびリング半径を制御した。 実装デバイスの作製では、東北大学マイクロシステム融合研究開発センターのリソグラフィー装置, エッチング装置など微細加工設備を利用し、SOI基板上にSi光共振器を作製した。その結果、ナノ構造の大きさが100 nm程度、リング半径が5 umの共振器を形成できた。しかし、回折格子同士の距離(60 nm以下)を部分的に形成できなかった。これは、リソグラフィーのレジストおよびエッチングの均一性が未だ不十分のためと推測されている。その他、光特性を評価するために、測定装置を立ち上げている。 次年度は、実装デバイスの試作プロセスを最適化し、同心円状光モードの生体分子の有無による光特性の変化を評価する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、回折格子構造を有する光リング共振器の同心円状光モード形成の解析および現象検証が重要である。これまでに、シミュレーションモデル、共振器のQ値および光モードなどの光特性の回折格子構造依存性を明らかにし、従来リング共振器のないナノ構造の配置によるガイド共鳴モードの存在を証明できた。また、実装デバイスに向けて構造のパラメータの最適化および試作微細加工プロセスを進めた。さらに、光特性評価の準備を順調に進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
シミュレーションで得られた光低損失かつ高Q値の回折格子構造を有するバス導波路の構造の成果を踏まえ、実装デバイスの試作および特性検証を実施する。実装デバイスを作製するための微細加工プロセス最適化を進める。ギャップ60 nmのナノ構造を形成できない場合、実装向けのデバイス加工性を考慮し、ナノ構造を最適化する。その後、回折格子構造型リング共振器導波路による共振モードと屈折率感度との関係を導いて、生体分子を測定する高感度光バイオセンサの実現を目指す。
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