Project/Area Number |
22K14601
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 29020:Thin film/surface and interfacial physical properties-related
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
半沢 幸太 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 助教 (30849526)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
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Keywords | 鉄系超伝導体 / エピタキシャル / トポタクッティック / 強磁場 / 水素 / エピタキシャル成長 / トポタクッティック反応 / エピタキシャル薄膜 / 電子構造 |
Outline of Research at the Start |
鉄系超伝導体LnFeAsO(Ln = 希土類金属)は、水素をドーパントとすることで特異な超伝導相図を示す。その発現機構を明らかにすべく、単結晶合成が世界中で試みられたが、得られた結晶サイズは極めて小さく、水素濃度も不十分であったため、未だに超伝導発現メカニズムに迫る研究には至っていない。申請者はエピタキシャル薄膜に着目し、トポタクティック反応を利用した水素ドーピング手法を用いることで高濃度水素ドープSmFeAsOの作製に成功した。そこで本研究では、水素ドープLnFeAsO(Ln = Sm, La)の角度分解光電子分光を測定することで、超伝導発現メカニズムの解明に挑戦する。
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Outline of Annual Research Achievements |
鉄系超伝導体の中で最も高い超伝導臨界温度を有する1111型LnFeAsO(Ln = 希土類金属)はフッ素や水素をドープすることで超伝導を発現する。特に、水素を用いた場合は水素濃度に対する超伝導相図が特異なふるまいを示すことが知られており、超伝導発現起源に迫る上で、水素ドープ1111の物性や電子構造解明は重要な課題である。そのため本研究課題では、水素ドープSmFeAsOエピタキシャル薄膜の基礎物性評価と電子状態評価に取り組んできた。130Tの強磁場下で水素ドープSmFeAsOエピタキシャル薄膜の上部臨界磁場を評価した結果、SmFeAsOが鉄系超伝導体において実測値としては最大の120Tの上部臨界磁場を有することを明らかにし、上部臨界磁場の温度依存性を評価することでこの物質の超伝導対破壊の起源に迫る知見を得た。より詳細な解析を行うためには、様々な水素濃度の試料を比較する必要があるが、現在用いているプロセスでは水素濃度の制御が難しかった。そのため、水素濃度を制御可能なプロセスの開拓を試みた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
水素ドープ手法は、これまでと同様に金属水素化物を利用したトポタクティック反応を用いた。金属水素化物の種類、さらに金属水素化物と薄膜試料との接触面積などを変更した条件下でアニールを行うことで、超伝導特性や水素ドープ量の異なる試料を得ることができた。さらにアニール温度に依っても超伝導特性などが変化することを見出した。
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Strategy for Future Research Activity |
水素ドープSmFeAsOエピタキシャル薄膜の電子構造評価を行い、水素濃度に対して比較することで超伝導発現メカニズムに関する知見を得ることを目指す。トポタクティック反応では薄膜表面と金属水素化物が接触するため、表面汚染が避けられない。そこで表面敏感ではなくバルク敏感な光電子分光測定である硬X線光電子分光を行う。さらに、超伝導臨界電流などの基礎物性も評価する。
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