実用化を目指した蚕繭由来燃料電池電解質膜の創製に関する研究ーセリシンを利用してー
Project/Area Number |
22K14639
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 31020:Earth resource engineering, Energy sciences-related
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
川端 隆 摂南大学, 理工学部, 助教 (80880666)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2023-03-31
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Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2026: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | バイオマテリアル / 燃料電池 / 電解質 / セリシン / 電解質膜 |
Outline of Research at the Start |
これまで申請者は、キチンやコラーゲンなどの生体由来物質を用いた低コストかつ環境に調和する燃料電池の創製に取り組んできた。しかし、これらの既知試料は既製の電解質膜であるナフィオンと比較し低出力であり、性能の向上化が課題であった。セリシンは、容易に成膜可能な蚕繭由来タンパク質であるため、申請者は、セリシンはアミノ酸組成に由来したプロトン伝導性を発現し、プロトン伝導の向上化探索に役立つと考えた。本研究では、セリシンをモデルタンパク質として利用し、遺伝子工学的改変によるアミノ酸系電解質膜の高プロトン伝導化ファクターの探索を行い、化学修飾も含めた高プロトン伝導性セリシン電解質膜の創製に取り組む。
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Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究から、DNAやコラーゲン、キチンなどの生体由来物質が、次世代のエネルギーとして注目されている燃料電池の電解質部として機能することがわかっており、産業から多量に廃棄され、生分解性を有するこれらの物質を積極的に利活用することで、よりクリーンで安価な次世代エネルギーの創出が期待されている。しかし、現状ではこれらの生体由来物質を用いた燃料電池の出力は低く、実用化に向けた性能(プロトン伝導性)向上が必要であった。 生体由来物質の一つであるタンパク質の高プロトン伝導化のキーファクターは、何であるかを探索するためにも、本研究では、造膜性に優れるセリシンをモデルタンパク質として設定し、まずはそのプロトン伝導に関する総合的な解析を行なった。実験に用いたセリシンは、繭層中のセリシン成分が98%以上となるセリシンホープ種蚕由来のものを膜化し使用した。成膜されたセリシンフィルムは、セリシン燃料電池の創製とその出力測定ならびに含水量試験、LCRメーターを用いたプロトン伝導度測定に供された。創製されたセリシン燃料電池の出力測定を行なった結果、3.3mW/cm^2が得られた。含水量試験では、セリシンの高い保水性により、アミノ酸あたりの水和水の数nが相対湿度70%から100%の間で、1.0≦n≦1.82と遷移した。プロトン伝導測定では、最大で10^-3[S/m]程度得られることが示唆され、さらに、水和数が1.77<n<1.82の狭い領域で著しいプロトン伝導度の増加と緩和時間の減少が観測された。セリシンの既報構造文献では、自身が有するセリンリッチ配列は疏水的で成膜に必要な部分であり、間隙配列は親水的であることが報告されている。以上の結果と既報文献から、タンパク質の高プロトン伝導化には、疏水部と親水部を構築し、親水部へのアミノ酸置換や化学修飾を施すことで可能になると予想された。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)