半無限固液界面における第一原理計算手法の開発とその応用
Project/Area Number |
22K14643
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 32010:Fundamental physical chemistry-related
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
萩原 聡 筑波大学, 計算科学研究センター, 助教 (60823458)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 電極触媒 / 酸素発生反応 / 半導体電極 / 固液界面 / 第一原理計算 / 表面電子物性 / 古典溶液理論 / 電気化学 / グリーン関数 |
Outline of Research at the Start |
固体と液体の界面である固液界面における化学反応の制御・活用は、電池特性、触媒機能や防食技術などの向上にとって重要となる。これらの反応を詳細に理解するためには、第一原理的手法に基づいた理論的研究が欠かせない。しかし、これまでの理論計算で用いられてきた表面模型では、表面とバルクの電子が相互作用しあった表面共鳴状態などの記述が困難となる。本研究では、より現実に即した半無限表面における電子状態を記述する理論と古典溶液理論を組み合わせた半無限固液界面を解析するより信頼性の高い理論的手法の開発と応用を行う。これにより、固液界面における化学反応過程の微視的な物理機構を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
水を電気分解して水素と酸素を得ることは, 再生可能エネルギーの効率的な運用にとって重要な技術である. このためには, 酸素発生反応(OER)を効率よく行う電極触媒の開発が重要となる. 近年, 埋蔵資源量豊富で安価な元素から構成される菱形硫化ホウ素 (r-BS)とグラフェンナノプレートを複合化したアルカリ水電解触媒が開発されており, 従来の貴金属酸化物を用いた電極触媒と同程度の性能を示すことが実験により報告されている. 昨年度は研究開発次年度として, 初年度に高度化した量子・古典融合理論に基づく手法をr-BS(0001)電極/KOH水溶液界面に適用し, OERに対する触媒機能の微視的な発現機構を調べた. 過去の実験結果から, r-BS電極表面における格子欠陥が触媒機能に影響することが示唆されることから, 本研究では, 様々な格子欠陥を導入した界面モデルを作成し, OER反応中間体に対する自由エネルギーを計算した. その結果, OERに対する自由エネルギー障壁が比較的低く, 中間体と表面の結合状態も安定な表面第二層におけるホウ素欠陥 (VB2) が触媒活性点の候補と考えられた. 次に, バイアス印加した電極/電解液界面におけるVB2の役割を調べるため, 欠陥を有する界面の電極電位をOERの平衡電位に設定し, 電極表面の電子状態を調べた. VB2を有する界面にOERの平衡電位以上のバイアスを加えると, 外部電源から正の余剰電荷が表面に誘起された. この正の余剰電荷は, アルカリ溶液中におけるOERのトリガーとなるOH-イオンを引きつけるため, バイアス印加時に界面におけるOH-イオンの密度分布が増加する. したがって, 自由エネルギー障壁の低さに加えて, OERの元となるOH-イオンを引き寄せやすいVB2がr-BS電極触媒の活性点の候補であることが考えられる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究開発次年度として, 初年度に高度化した数値計算手法を最近開発されたr-BS電極触媒/KOH水溶液界面におけるOERに対する触媒機構の解析に適用した. 本研究成果から, r-BS電極触媒における活性点にとって必要な電子状態と平衡電位の関係が明らかとなった. 加えて, 欠陥のないr-BS電極がワイドギャップ半導体であるため, 半導体電極におけるゼロ電荷電位を決定する方法論も考案した. このような知見や方法論は, 格子欠陥が関係する電極触媒の機能発現機構の理解および半導体電極における反応や物性値に対する理論的予測能力の向上のために有益であると考えられる. したがって, 概ね順調に進捗している.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は, 半無限固液界面シミュレーション手法開発における溶液部分に対する方法論の適用研究と位置付けられる. 加えて, 電極電位と半導体/水溶液界面における電子状態の解析方法は一般性が高いことから, 今後開発する電極材料の電子状態に対する予測精度向上を目指した手法に応用することも可能である. 今後は, 本年度の研究で得られた知見に加えて, 電極材料の電子状態に対する予測精度向上を目指した手法開発に着手していく.
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Boron monosulfide as an electrocatalyst for the oxygen evolution reaction2023
Author(s)
Linghui Li, Satoshi Hagiwara, Cheng Jiang, Haruki Kusaka, Norinobu Watanabe, Takeshi Fujita, Fumiaki Kuroda, Akiyasu Yamamoto, Masashi Miyakawa, Takashi Taniguchi, Hideo Hosono, Minoru Otani, Takahiro Kondo
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Journal Title
Chemical Engineering Journal
Volume: 471
Pages: 144489-144489
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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