Development of a new method for generating glycosyl radical and application to C-glycosylation
Project/Area Number |
22K14683
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 33020:Synthetic organic chemistry-related
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
寄立 麻琴 九州大学, 薬学研究院, 助教 (70843788)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | C-グリコシド / 天然物アナログ / ラジカル / グリコシルラジカル / α-GalCer / C-グリコシル化 / 光レドックス触媒 / 無保護 / 糖脂質 / ガラクトシルセラミド |
Outline of Research at the Start |
生体内の様々な機能を制御する糖鎖は、複雑な構造と連結パターンにより、多彩な構造を有している。糖鎖は構造の複雑さに加え、グリコシダーゼによって加水分解されるため、糖鎖本来の機能解明は容易ではない。我々は本問題に対して、元の糖鎖の構造と機能を模倣し、酵素に分解されない「C-グリコシド」の開発に精力的に取り組んでいる。現在までに報告されているC-グリコシル化反応のほとんどはカナグリフロジンなどに代表されるアリール-C-グリコシドの合成法であり、生体分子模倣型C-グリコシドの合成例はごくわずかである。本研究では、複雑な構造を持つ天然複合糖質模倣型C-グリコシドの効率的な合成法の開発と評価に取り組む。
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Outline of Annual Research Achievements |
天然に存在する複合糖質のO-グリコシド結合をC-グリコシド結合に置き換えたアナログ分子は、天然型複合糖質の構造を模倣しているが、加水分解に耐性があるため、ケミカルバイオロジーや創薬研究などに役立つと考えられている。しかし、C-グリコシドの合成には解決すべき課題がある。1つ目の問題点は、糖の保護・脱保護による工程数と廃棄物の増加である。有用性が広く知られているアリール-C-グリコシドの合成は多数報告されているが、糖の水酸基を保護することで反応性や選択性を制御していた。2つ目の問題点は、天然複合糖質の模倣型C-グリコシド合成がほとんど報告されていないことである。生体内に存在するグルコシルセラミドやオリゴ糖、糖ペプチドなどは、アグリコンが極めて複雑な構造を有するため、糖とアグリコンをC-C結合で連結することは容易ではない。さらにC-グリコシド結合が構築できても、保護基の除去段階でアグリコンが分解する可能性がある。また、天然複合糖質を正確に模倣するためには、sp3炭素でグリコシド結合を形成する必要があるがCsp3-Csp3クロスカップリング反応はCsp3-Csp2クロスカップリング反応に比べて難易度は飛躍的に向上する。
前述の2つの問題は、無保護C-グリコシル化法の開発により同時に解決できると考えられる。無保護糖ドナーと複雑なアグリコンを直接C-グリコシル化できれば、これまでに合成が難しかった『複雑で切れない配糖体』が合成できる可能性があるのではないか。申請者はこの問いに答えるため、新しい無保護C-グリコシル化ドナーの開発と、C-グリコシル化反応への応用に取り組んだ。これまでに、無保護グリコシルスルフィネートの開発とC-グリコシル化への応用に成功した。また、C-連結型-α-ガラクトシルセラミド(GalCer)の合成と生物活性評価を達成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
水酸基が多数ある環境でC-グリコシド結合を形成するためには、アルコールなどのプロトン性官能基も多数共存するため、グリコシルカチオンやアニオンを経由するような極性反応を利用することが難しいと考えられる。そこで、アルコールなどのプロトン性官能基が共存する中で失活しない炭素ラジカル種であるグリコシルラジカルを利用することにした。研究費申請時に提案した複数のグリコシルラジカル前駆体は全て合成に成功した。その内の一つである、無保護グリコシルスルフィネートに青色LEDを照射することで、光触媒共存下に無保護グリコシルラジカルを生成することに成功した。さらに、グリコシルラジカルのGieseラジカル付加反応を用いた無保護Csp3-Csp3グリコシル化の開発にも成功した。現在、この成果について論文を執筆中である。
また、マウスの樹状細胞の免疫賦活化作用を持つCH2-連結型-α-GalCerの合成と、その(R)-CHF, (S)-CHF連結アナログの合成にも成功した。これらの生物活性も評価済みであり、上記とは別の論文として報告する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに無保護C-グリコシル化法を開発しました。今後はペプチドや核酸の無保護C-グリコシル化による修飾に取り組む計画である。
しかし、開発したグリコシルスルフィネートはフリーラジカルの付加反応には利用できるものの、遷移金属触媒を介したカップリング反応には応用できない可能性が示唆されている。この理由としては、SO2ラジカルの脱SO2によるグリコシルラジカル形成の過程がエンタルピー的に不利であること、またSO2ラジカルが過剰酸化され、スルホン酸塩(SO3Na)を生成するためであると考えている。これらの理由から、今後は応用範囲の広い新規グリコシルドナーの開発研究を継続する予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(41 results)