可視光駆動型の新奇光レドックス触媒系の創製と高分子材料への展開
Project/Area Number |
22K14736
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 35020:Polymer materials-related
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
岡本 衆資 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助教 (50828100)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
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Keywords | 炭素―炭素結合生成反応 / 光レドックス触媒 / メタルフリー / 有機色素 / 多環芳香族 / 炭素-炭素結合生成反応 / 環状化合物 / 光触媒 / 高分子触媒 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、これまでの光触媒では比較的に報告例の少ない可視光で駆動する触媒を、独自の分子設計で達成することが目的である。具体的には、紫外光のみを吸収する芳香族類を規則的に配列することで、可視光吸収可能な新奇骨格を形成し、これを基盤とした光触媒への応用を達成する。さらに、この光触媒系を高分子へと応用することで工業的にも利用可能な材料への展開も予定している。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,太陽光に含まれる可視光エネルギーを利用した環境調和型の光触媒系の開発を目指して研究に取り組んでいる。申請者はこれまでに,多環芳香族類を基盤とした完全メタルフリーの光触媒系を開発し,芳香族カルボニルおよびイミン化合物の還元的カップリング反応に応用して,有用化合物である1,2-ジオール類ならびにジアミン類を合成できることを実証した。研究課題として,より高波長側の光を効率良く吸収できる光触媒の開発が求められており,芳香族部位が規則正しく配列された構造を有する触媒の分子設計がこの課題解決に有用であると仮設し,研究に従事してきた。これまでの研究では,多環芳香族化合物であるピレン類を基盤とした光レドックス触媒系の開発に成功しており,本研究ではさらに,芳香族部位が規則的に配列したシクロファン構造を基盤とする新奇光触媒(テーマ①)と,多環芳香族で構成された高分子光触媒(テーマ②)の合成を目的とした。 テーマ1の研究実施計画に基づき,ピレン類を基盤とするシクロファン化合物の合成に成功した。しかし,合成したシクロファン化合物の触媒活性は低く,この原因は触媒同士の凝集によるものであると考察する。溶解性を向上させるための誘導体についても合成を実施したが,大幅な改善は確認されなかった。 テーマ2の研究実施計画に基づき,高分子量化が光触媒に及ぼす影響を評価するため,ピレン骨格をそのまま導入した新規モノマーを合成し,重合して高分子触媒を合成した。得られた高分子光触媒は,比較対象の低分子触媒と同等以上の触媒活性を示し,様々な基質にも適用可能であることを明らかとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までの進捗状況としては,本年度の目標としていたテーマ1の「芳香族部位が規則的に配列したシクロファン構造を基盤とした新奇光触媒の開発」に関して,目的の光触媒の合成と触媒反応の検証を行えたことから,おおむね順調であると考えています。 テーマ2の「多環芳香族で構成された高分子光触媒の開発」に関して,ピレン化合物を出発原料とした新規高分子光触媒の合成と触媒活性の評価を網羅的に実現できたため,おおむね順調であると考える。テーマ2の進捗により,当初の研究計画に記載した線状および架橋高分子光触媒の開発が実現可能であることが明らかとなったため,これらの知見をもとに様々な化合物で構成された新規高分子光触媒の開発へと展開したいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の推進方策としては,テーマ2に重点を置いた研究を進める予定である。合成した高分子触媒の再利用の実用性と,高分子の構造が触媒活性に及ぼす影響の解明を目的として研究に取り組む予定である。具体的には,合成した光触媒が繰り返し使用できるかを実証し,活性の低下が確認された場合は,触媒反応後のピレン部位の構造を構造解析によって明らかにし,その原因を追究します。この検証結果から得られる課題をもとに,新たな分子設計を行い,持続性の高い光触媒の創成を実現したいと考えている。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)