Project/Area Number |
22K14737
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 35020:Polymer materials-related
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
久野 恭平 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 助教 (30822845)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 高分子微粒子 / 分散重合 / 分子配向 / 反射光学素子 / 光学機能材料 / 重合 / 光学機能 |
Outline of Research at the Start |
キラル液晶は自発的にナノ・マイクロオーダーのらせん状分子配向を形成するため,その分子配向に由来する高度な光学機能を示す。本研究では,凹凸基板などの静的な制限場ではなく,時空間的に形状が変化する制限場におけるキラル液晶の分子配向ダイナミクスを探求する。さらに,ダイナミクスに基づく分子配向制御法を提案するとともに,分子配向が制御された光学機能材料の創製に取り組む。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,重合性キラル液晶の重合空間を設計することでポリマー微粒子内部での精緻な分子配向制御を達成し,高度な光学機能を示すポリマー微粒子を創製することとともに,ポリマー微粒子内部での分子配向を制御する新手法を開拓することを目指している。本研究で用いた分散重合では,溶液中での重合過程で生成ポリマーが自発的に析出し,数マイクロメートル程度のポリマー微粒子を形成する。これまでの研究から,重合進行に伴い微粒子が成長するとともに,微粒子全体にわたって分子配向が長距離伝搬することを明らかにしてきた。キラル液晶を用いるため,微粒子内部での分子配向はらせん状に捻れており,その周期に応じた特異な反射特性を示す。 本年度は,重合性キラル液晶混合物の組成や環境温度を設計することで,可視光領域全体にわたり微粒子の反射色を制御することに成功した。色による外部環境のセンシングなどへの応用が期待できる結果である。さらに,種々の光学計測により単一の微粒子からはらせん状分子配向に起因して明確な円偏光反射特性を示すことが明らかとなった。また,重合条件を調整することで,様々なサイズ分布を有する微粒子を合成し,微粒子内部の分子配向およびサイズ分布によって,反射色や円偏光性などの反射光学特性が制御できることを確認した。本微粒子は,インクとしても応用可能であることから,任意の反射特性・反射色の空間パターンを有するセキュリティインクなどへの展開も期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記の通り,重合性液晶の組成や重合条件を設計することで,ポリマー微粒子のサイズや分子配向を制御することに成功した。高度な反射光学素子としての応用展開を見据えて,微粒子のサイズやサイズ分布,配向状態,外部温度と反射光学特性の相関についても明らかにした。今後,反射光の偏光状態や反射波長が任意に設計可能な高度な反射光学素としてのさらなる展開が期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
概ね順調に進展しており,引き続き当初の計画に沿って研究を推進する。来年度は,特に微粒子内部における分子配向の特異性に着目し,構造解析や機能解析および光学機能素子としての応用展開を進める予定である。また,本研究で開拓する分散重合によるキラル液晶のらせん状分子配向の長距離制御は,原理的に多種多様な材料系や重合系への展開が可能である。反射光学素子としての応用展開に加えて,本手法の汎用性について検討を進める。
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