アルミニウム二次電池応用を目指した深共晶水和物からの金属アルミニウム電析
Project/Area Number |
22K14772
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 36020:Energy-related chemistry
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
保坂 知宙 東京理科大学, 研究推進機構総合研究院, 助教 (00907397)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2023-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | アルミニウム電池 / 電析 / 深共晶液体 / 二次電池 / アルミニウムイオン電池 / 電解液 / 深共晶溶媒 / 溶融水和物 |
Outline of Research at the Start |
近年、超高濃度水溶液の一種である溶融水和物が非常に広い電位窓を示すことが報告され、高電圧水系二次電池への応用研究が進められている。このような溶融水和物の電位窓はAl3+/Alの標準電極電位を含んでいるものの、水溶液や溶融水和物からのアルミニウム電析は達成されていない。一方、水素結合ドナー性化合物と水素結合アクセプター性化合物の共融混合物は深共晶溶媒と呼ばれ、深共晶溶媒系電解液からのアルミニウム電析が報告されている。 本研究は、溶融水和物と深共晶電解液の境界領域である深共晶水和物からのアルミニウム電析挙動の調査を通じて、水を含む溶液からのアルミニウム電析の制限因子および電気化学活性種を解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、深共晶水和物等の水を含有する電解液におけるアルミニウム析出溶解反応の制限因子を明らかにすることを主要な目標とする。そこで2022年度はモデル系として、過去にアルミニウムの析出溶解が報告されている溶媒和イオン液体に水を添加した電解液を用いて、異なる量の水を含有する電解液中におけるアルミニウム析出溶解挙動を系統的に調査した。 電気化学測定より、数千ppmから数%の水を含む電解液中では、アルミニウムの析出反応は部分的に進行するものの、析出したアルミニウムが時間経過と共に不動態化することで更なる析出反応および溶解反応を妨げていることが明らかになった。さらに、析出物を解析した結果、不動態被膜は主にアルミニウム酸化物で構成されており、当初想定されていた電解液の還元分解物との副反応だけでなく、電解液中の溶存酸素や測定セル内で酸化分解した水に由来する酸素との副反応が不動態化の原因となっている可能性が示唆された。 上述の結果から、部分的に水が含まれる系においてもアルミニウムの電析反応そのものは進行することが示唆され、高効率かつ可逆的な溶解析出反応を実現するためには、電析後のアルミニウム表面の不働態化を防ぐことが重要であることが明らかになった。すなわち、電解液の熱力学的な電位窓を拡大することが出来れば、アルミニウムの可逆的な溶解析出反応およびアルミニウム金属二次電池の可逆作動の実現されると期待される。 これらの成果は、2022年の電気化学秋季大会にて口頭発表した。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)